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「遅くなってごめん、父さん、母さん」
あれから時間になっても悪ふざけが終わらない2人にさすがにヤバいと思った俺は林さんに助けてもらい現場を後にした。
「お仕事があったんでしょう?仕方ないわ」
そう言って微笑む綺麗な人は俺の母さんである原田 若葉 。実の息子である俺でさえ年齢が分からないという綺麗で優しい自慢の母さん。そんな母さんの隣に座っているのが俺の父さんの原田国彦 。
「羊!父さんは羊に会えなくて寂しかったぞ!」
母さんはファッションデザイナーをしていて1年のほとんどは世界中を飛び回っている。とある国で開かれたパーティーに出席していた父さんと母さんは一目惚れをし、すぐに結婚した。ちなみにこんな父さんは今27歳。俺とは11歳差である。
「ちょっとは子供離れしたらどう?父さん」
「若葉さん!羊が冷たいよ!」
まぁ年齢歳を考えれば分かるけど俺と父さんは血が繋がっていない。父さんと母さんは再婚なのである。塁くんとは5つしか年が離れていないのだがよく結婚したなとそこは感心している。
「国彦さん、いい加減に落ち着いて。羊も国彦さんをからかわないの。話が進まないでしょう?」
そう、今日の食事会は母さんが話があるからと開かれたのだ。
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