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「羊、最近お仕事頑張ってるみたいね」
「うん、やり甲斐があるし楽しいよ。みんな良くしてくれるし」
それに今日林さんから大きな仕事をもらったと言われた。俺にとっても次のステップへ進むためにいい機会だと言われた。
「そう·····。羊、お仕事を頑張っているのは知っているんだけどね、母さん、羊にはきちんと高校を卒業してほしいの」
「うん」
「今の高校、もうすでに進級が危ないんでしょう?」
痛いところをつかれる。今日はたまたま学校に行けていたが実は普段は仕事ばかりでほとんど学校には通えていない。さすがに高校は卒業しないとやばいっていうのは分かっているんだけど、今の状況では難しいのも分かっている。
「羊、九龍学園に戻らない?」
九龍学園はお金持ちばかりが通う全寮制の名門男子校。九龍学園出身というのはお金持ちにとっての憧れであり一種のステータスになっている。また将来的にも安定した将来が約束されている。
「おじいちゃんが羊の九龍学園の制服姿みたいんだって」
「じいちゃんが?」
母方のおじいちゃんはもう長いこと病気でずっとベットで生活している。別に本人は元気なんだと言い張っているんだけれどそう長くはないらしい。
「やっぱり1度出ていった学園に戻るのは嫌?」
「それはないんだけれど」
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