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それにしても、だ。何この書類の量は。減るどころか増えていくばかりだ。ここ3日生徒会室で書類を片付けているが減ったと思ったらいつの間にか増えている。ちなみに増える書類は全部あのモジャモジャについてである。 「これは明日、これは今日、これは今週中」 提出期限の早いものから順に片付けられるように並べていく。机の上には1m級の書類タワーがいくつかできていて、それを見てはため息しかでない。 「おい早見(はやみ)!お前のところの転校生がまた問題を起こしたんだけど!!」 静かだった生徒会室の扉がバン!っと大きな音を立てて開いた。ここにこれるのは生徒会役員か先生か、それと生徒会と同等の地位にいる風紀委員しか来れない。会長達はあのモジャの世話で忙しいだろうから来るとすれば風紀委員の人。 「.......え?」 先程の勢いはどこに行ったのか、気の抜けた声を出す乱入者。なんとなく聞いた事のある声だな、とパッと顔をあげるとそこにいたのは。 「あ、ゆきちゃん」 「誰だお前。ここは一般生徒が入っていい場所じゃないぞ」 入ってきたのは風紀委員長の鷹野(たかの)雪路(ゆきじ)───通称ゆきちゃん。物凄く真面目な仕事の鬼である。 「誰だと聞いている。聞こえないのか?」 あ、やばい!今の俺って普通の生徒じゃん。確かにゆきちゃんが言うように本来ならここに入れない。どうやって誤魔化そうか、うわ、俺死んだかも。 「えっと、その」 「ん?待てよ。今お前俺のことを“ゆきちゃん”って言ったよな。そんなふざけたあだ名で呼ぶのは」 ブツブツと何か言ってるゆきちゃんは急に顔色を変えた。 「お前、羊か?!」 「.......てへっ」 ちなみにゆきちゃんは俺の遠縁の親戚だったりする。

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