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20 晴也side

「それにしても何でいるんだよ」 3年前、突然中等部の生徒会をやめ、学校を去った元中等部生徒会会計。保健室は中等部と高等部兼用だったため、俺は中等部の生徒のことも把握していた。 「戻ってきたんだよー」 「は?お前モデルの仕事はどうした」 この学園は外界の情報に疎いから気づいていない生徒はたくさんいるだろうけど、こいつは少し前まで超人気のモデルだった。こいつが出ている雑誌を買うためだけに1時間半かけてわざわざ街に行っていたくらいだ。 「一応休業中。高校卒業したらまた再開する予定だよ」 そうやってウインクをする羊は随分と変わったと思う。昔はこう、何ていうか可愛い顔に身長も低かったからか子犬みたいなかんじだったのに、今では立派なイケメン様々。いや、どっちかって言うと美人か? 「星を飛ばすな、星を」 「あ、ごめんごめん」 羊が戻ってきたって気づいているやつは少ないだろう。雑誌で見ていた俺でも実際目の前にすると羊だってすぐに気づけなかった。特に生徒会の連中はあのモジャモジャに夢中で気づくのには時間がかかるだろうな。 「お前今役職ないだろ、バレたら大変なことになるぞ」 「それさっきも言われたんだよねー。どうにかならない?はるちゃん」 「会計の席はもう埋まっているからな。生徒会補佐ってことで俺から推薦だしておく」 「まじ?はるちゃんありがとう!」 「あぁ。1人で大丈夫か?手伝うけど」 「大丈夫。けんくんがいるから」 この学園は比較的温和なヤツが多くて親衛隊も大人しい。生徒会のメンバーも学年から頭のいいやつを選んでいたんだけど、今回は顔のいいやつばかりが集まってしまい、人気に火がついた。

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