別に生徒会のメンバーに近づいたら制裁対象だとかそんなことはなかったし、むしろ生徒会と親衛隊は仲がよかったんだけど、全てはアイツが来てから変わってしまった。 「あのモジャモジャがなー」 そう、あのモジャモジャが来てから全てが変わってしまった。空席だった会計の席にアイツが突如ついたのだ。顔の分からない小汚い頭、成績も学年最下位、なのに生徒会に気に入られている。会計の席が今まで空席だったのは生徒会のヤツらだけでなく、一般生徒も羊が帰ってくると信じ、また羊がいなくなったことを認めたくなかったからだ。なのに会計になったのはあのモジャモジャ。 「生徒会が機能していないなんてバレるのは時間の問題か」 モジャモジャが来てから何があったのかは知らないが生徒会のヤツらが他の生徒と距離を取り始めたから親衛隊は荒れる一方で、それから生徒会に近づくヤツには制裁だ、と親衛隊が暴走した。 「とりあえず羊が帰ってきたんだからあのモジャモジャをどっかにやればいいんだよな」 そうすれば全てとまでは言わないが元に戻るはず。しかしあのモジャモジャは校長の息子かなんかだし下手なことはできない。 「どうすっかなー」 早いこと生徒会を正常に戻さないと羊がぶっ倒れる。アイツの兄貴から面倒を頼まれてんだ、何かあったら俺がはっ倒される。 「.......タバコ吸お」