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「この度、中野先生から生徒会補佐に任命された原田です。少し仕事をしていました。今から帰りますので失礼いたします」 なるべくを目を見ずにに、気づかれないように。 「あぁ、そう」 一般人じゃないって分かったためか腕を離してくれた。 「俺は………お前みたいなチャラチャラしたやつは嫌いだ」 帰ろうとしたとき聞こえてきた言葉。嫌いだなんて言葉、彼の口からそんなこと聞きたくなかった。けど同時にどういう意味なのだろうと考えた。 「失礼いたします」 なにも聞こえなかったフリをして生徒会室をあとにした。駆け足で下駄箱まで走り、彼がいないことを確認する。生徒会室に来るメンバーがけんくん以外にいたなんて驚きだ。 「それにしても急に嫌いだなんて失礼しちゃうわー。こんな俺でも一応人間だよー?悲しいたらありゃしない。 ねぇ、会長」 久しぶりに話せたと思ったらこれだもんなー。さすがの俺でも傷つくよ。会長は急に別れを告げて消えてしまった中町羊のことを恨んでいるのだろうか、心の底から嫌いになってしまったのだろうか。だから同じ雰囲気を持つ俺に嫌悪したのだろうか、いや、本人だから同じ雰囲気どころか一緒なんだけど。 俺はそれほどまでに会長を傷つけてしまったのだろうか。 「だったら俺に傷つく資格はないね」 ねぇ、会長。

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