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31 小町side
生徒会の皆様や教師陣、中町様本人も知らないことだけど、学園内で1番の大きさを誇る親衛隊は中町様の親衛隊である。
この事実は隊長の僕と副隊長である大和 咲真 しか知らない。なにせ、学園の生徒の半分が中町様の親衛隊なんだから。
だから会計のイスに堂々と座っているあのモジャが許せない。けど、制裁なんかしたら確実に中町様に迷惑がかかる。だから僕らはしない。
「とにかく!これからは僕も生徒会の仕事させてもらうからね!羊くん!」
「…え?今まで通りに接してくれるの?」
「僕らに黙って学園を去った罰だよ!」
「………それ、罰になってないよー」
そう言って一滴だけ涙を流した羊くんはとても綺麗だ。
何度も思うけれど、やっぱり僕のお慕いしている中町、いや、原田羊くんはとても可愛くて、綺麗で、素敵な人だ。
「とりあえず今日は寮に戻ってしっかり休むよ!見ていないところで仕事しないか見張るために今日は羊くんの部屋に泊まるから!」
これからも変わらず接してあげる。中町様のことは今でも尊敬しているし、親衛対象だけれど、ただの原田羊くんとして一緒にいた時間も大切にしたい。
「帰りに園内にある販売店に行ってお野菜買うよ!好き嫌いしないでよね」
しっかりとした栄養のあるものを食べさせなきゃ。会長様が羊くんの隣にいない今、羊くんのストッパーになれるのは僕だけだからね。
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