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挿話「岬と綾」12※

高校生になったばかりの頃は、周りの友だちの方が性的な話題に敏感で、綾は、自分ではどちらかというと奥手なのだと思っていた。 でも2年から3年にあがる頃から、急激にそっち方面の欲求が強くなった。もやもやしてくると身体が熱くなって、我慢できずに自分で処理をする。なかなか鎮まらない身体の奥の熱を、持て余してしまう夜もある。そんな自分の性欲に、後ろめたさを感じていた。 ……やだ……やめてよ。 無理やりキスされたから、というのもあるが、綾が本気で焦っているのは、刺激されて簡単に反応してしまった自分の身体だ。 自分でするより何倍も、強烈だった。 膝でズボン越しに擦られているだけなのに、ズクズクと身体の芯が甘く疼いてくる。自分しか触ったことのないソコに、岬は遠慮なく触れてくる。 心では嫌なのに、勝手に反応してしまう自分の身体が恨めしい。 「なに?気持ちよく、なっちゃった?」 唐突に口を外した岬が、皮肉めいた笑みを浮かべながら囁く。膝はグリグリと少し大きくなってしまったソコを擦り上げ続けている。 「やめろ……って」 「やめないよ。綾、溜まってるでしょ。ほら、ここ、もうこんなだし」 岬は昂ってきたソコをまるで掘り起こすみたいにして、リズミカルに膝で刺激しながら、こちらの額におデコをこつんとあてた。 「感じる?綾」 「も……やめてよ……」 「キスでも、感じた?」 岬の囁き声が酷く楽しげでムカつく。 ふざけんなっと殴って押し退けたいのに、下腹部の甘い痺れがどんどん強くなってきて、金縛りに遭ったみたいに動けない。 「……感じてない」 「うそ。じゃあなんで勃ってるの?」 岬は顔を押さえ込んでた右手を外して、腕を下に伸ばした。膝で擦っていたソコに、手のひらをあててきて 「すごいな。さすが思春期男子。フル勃起だろ、これ」 制服の薄い布地越しに、岬の指がいやらしく動いた。指摘された通り、あっという間に痛いほど張り詰めてしまったソコを、長い指が包み込んでくる。 「……っ、……っ、」 綾はヒクっと震えて息を詰めた。油断すると変な声が出そうだ。 「ふーん……おまえ、結構デカそう」 揶揄うように囁かれて、全身がカっと熱くなる。 腹のところでカチャカチャと金属の音がして、綾はぎゅっと瞑っていた目を見開き、自分の下腹に視線を向けた。 岬が、ベルトのバックルを弄っている。 ……ちょっ、と、それやだ…っ 綾は焦って、岬の手首をぎゅっと掴み締める。 「ね、なにやって、」 「苦しそうだからさ。開放してやる」

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