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ゼロ
一方そのころ、Sクラスに騒がれてる渦中の“満点者”は呑気に鼻歌を歌いながら【ノスタリジア】へ向かっていた
もちろん歩きで。
サラサラの黒髪をふわりふわり揺らして、漆黒の瞳からはなんの活力も見いだせない。
「なーんのためーにうーまれて、なーにをしてよろこぶーなにをしてもよろこばなーーい。………長いよ、どこにあるんだノスタリジア」
もうかれこれ一時間ぐらい歩いてるのに目的地にはつかない。
どっかで道間違えたかなぁ。
少し首をひねり周りをみると、あぁ、なんだあの一番大きい建物か。
どっかの皇帝の城みたいなのがドーーンとそびえ立っているのが見えて安堵のため息をこぼした。
「あったあった。あそこに行けばいいんだっけ。」
そろそろ使っても良いかな。
チラリと腕にしてある時計をみて、編成試験が終わってる時間帯だということを確認する。
やっぱり歩くのつかれるもんね。
「んーと、じゃあ編成試験会場まで飛ぶか」
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