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ゼロ

「さて、さてと。じゃあキミに2つ選択肢をあげようか」 すっかり完治した目の前の魔族をみて、少年は指を突き出した 「…俺は、救わない。」 正義とか、悪だとか。そんなもの考えるのもダルいし何よりそんなものに時間を費やすなんて俺には有り得ない話だ だから、俺はいつだって傍観者であり続けたい 「恩を感じられるのも俺は好きじゃないんだ。そんなもので懐かれても困るしね。」 ゆったりと欠伸をして、冷たい氷のような凍てつく瞳を光らせて漆黒の少年は魔族を見つめる 「───自由になるか。この学園に飼われるか。どっち? キミがかけられた高度の呪文ごとき、俺はすぐに壊せるよ。 でも、キミがそれを望まないなら俺は何もしないし、帰る。俺は人には優しくないけど化け物には優しいんだ」 少年のその問いに触手がすっかり治った化け物は、攻撃を開始することもなく、ただ大人しく少年を見つめる。 魔族の答えはわかりやすかった。 こんな所いたくもない。と言うかのように触手でバッタバッタと地面を叩く。 それを見て少年は薄く笑みを浮かべた。

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