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学校が終わって、俺は1人で寮に戻る。 大抵のやつが部活やバイトに勤しんでいる時間なので寮の中はほとんど人気がない。 学校の寮は、最近立て変わったばかりで外装も内装もかなり綺麗だ。 部屋に一応キッチンがついてはいるが、寮内には食堂もおるので生徒のほとんどがそこで食事をとる。 他にも、俺はあまり使わないが大浴場や、男子寮らしくトレーニングルームなんかも完備されている。 「ゆきさん、ただいま。」 入口のすぐ側にある寮監室の中声をかける。 寮監のゆきさんは、もう60を超えたおばあちゃんだ。 いつもおっとりしていて、寮生達のよき相談相手にもなっている。 「おかえり、柳葉君。同室の子の荷物は部屋の前に置いてあるからね。帰って来たら一緒に運ぶの手伝ってあげて。」 「うん。分かった。同室の人はいつ頃来れそうか聞いてる?」 「どうだろうね。少し遅くなるとは言ってたけど…」 「そ。ありがとゆきさん。じゃぁ、俺部屋ちょっと片付けるから。」 そう言って寮監室から離れ、自分の部屋がある4階に上がる前に寮監のすぐ横にある売店による。 少し悩んで、ミートスパゲッティとサラダを購入した。 俺は、いつも遅くまでバイトをしていて、食堂が空いている時間に間に合わない。 たまに自炊したりもするが、弁当で済ましてしまう事が多い。 売店を出て、階段を挟んですぐ横にあるエレベーターのボタンをおす。 一階には、部屋はなくエレベーターの奥には食堂と大浴場、トレーニングルームがある。 来たエレベーターに乗り込み、4階で降り右に進む。俺の部屋は4階の角部屋なのでエレベーターからは少し遠い。 部屋に着くと、言われた通りドアの横にダンボールが5箱積まれて置いてあった。 ダンボールはそのままに俺は部屋の鍵をあけて部屋に入る。 早速、部屋に荷物を置いて制服から着替え、部屋の片付けに取り掛かる。 と言っても、元々部屋を散らかすでもないし私物も少ないのでどちらかと言うと掃除というのに近いかもしれない。 とりあえず、リビングの片付けをし洗濯物なんかも畳んでしまう。その後、いつもより念入り目に風呂掃除とトイレ掃除をしてその後、全部屋に掃除機をかける。 なかなかここまで掃除する時間が無いので、ついついやり込んでしまい気づけばいつも部活が終わる時間になっていた。 「やば、バイト行かなきゃ…」 時計を見て呟いた。 部屋はだいぶ綺麗になったので、これでいつ相部屋の人が来ても大丈夫だろう。 俺は、バイトの荷物を背負って部屋を出て一階に降りる。 「ゆきさん、これ同室の人が来たら渡しといて。俺今日もバイト遅くなりそうだから。」 そう言って、自分が持ってる日本の部屋の鍵のうち1本をゆきさんに預ける。 「分かった。いってらっしゃい。気をつけて。」 「はい。いってきまーす!」 ゆきさんにそう返事をして、俺は寮を出た。

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