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★54-4 今すぐ1回イキたい…!
一刹那、反応が遅れた。
え? 生でやりたいの? 3度目でもう?
なんか……なんか直にあたるのって、刺激強そうで……。
あのうっすーい膜がないだけで、不安……。
なんてことを思ったんではなく。
期待でゾクリとしたからだ。
中の粘膜に直接触れるペニスの、未知の感触。
セックスにはコンドームが必須って意識故の、背徳感。
隔てるモノなしで涼弥を感じることの……ヨロコビ?
とにかく。
俺の心と頭をよぎったのはプラスの思考だったんだけども。
空いた間を、涼弥は違うふうに捉えたようで。
「お前が嫌なら、中じゃ出さねぇ。お前がイクまでだけでもいい。だから、1回……」
焦った様子で言い募る涼弥に、笑って首を横に振る。
「嫌じゃない。俺がイッても続けて、中に出せよ」
涼弥が目を見開いた。
「いい……のか?」
「いい。そのつもりで、ローションはあるのにゴムは持ってきてないんだろ。つーか、俺も生でやりたい」
「……お前がそう……言うとはな」
「何だよ。そんな意外か?」
「ああ。禁欲の褒美……お前にやる前は、願いゴトにして聞いてもらう気でいたからよ。得した気分だ」
涼弥が唇の端を上げ。ローションを手のひらに出し、そのまま俺の足の間に手を差し込み。もう片方の手で俺の腰を引き寄せた。
ローションをベッタリなすりつけるようにアナルを撫でられ、身体がビクリとする。
「乱暴にしちまいそうだ。痛かったら言え」
「大丈夫……あッ……」
いきなり、ググッと指先でアナルの口を押された。
ヌルヌルの指先が力任せに襞を伸ばそうと、グリグリと回って……。
「んッ……もうちょい、ゆっくりッ……つ……ッ!」
ヅプリと。指1本がアナルの中に入れられた。
足が少し心許なくなり、両手を涼弥の肩につく。
「は……涼弥……まっ、あッ、ひッ……!」
いったん襞のとこまで戻ってローションをすくったらしき指が、またグリグリしながら中に戻ってきて。前立腺を裏から擦った。
「十分勃ってるから、硬いとこわかるぞ」
「あ……ッやめッ……」
涼弥がそこから指を離し。
「イクのは挿れてからな」
俺の腰を掴む手に力を込めて、アナルの中の指をゆっくりと動かしながら笑む。
「ほしがってるか?」
「ん……見てわかる、だろ……はぁっ……ほしい……早く……」
アナルの入口を広げられ、中をヌメヌメと擦られ。前立腺を刺激されなくても、嫌でも快感が高まってく。
クチュクチュって水音も、ここではよく響いてエロさも増す。
「もう1本、入れて……」
早く、したい!
「ちゃんとしねぇとお前がつらいぞ」
そう言いつつも、嬉しそうに指を追加する涼弥。
「ふ……っあ……く……ッ」
痛くはないけど、倍増した圧迫感に息が浅くなる。
涼弥の指が2本、俺の直腸内をまさぐる。
指の根元はアナルの口を広げ続け、中の指先は粘膜を掻く。
意識していいとこのしこりは避けてくれてるけど、たまにあたって身体が跳ねる。
「んッ……はぁ……平気だから……3本目……」
「これ足してからな」
涼弥が器用に片手でボトルのフタを開け、俺の股下にある手の平にローションを注ぐ。
「あッ……」
腰を掴まれてた手を外され、アナルから2本の指を抜かれ。足を踏ん張って立ってられなくて。
涼弥の肩に置いた手に額をのせ、息をついた。
ペニスがマジでガッチガチだ。
すでに完勃ち近かったけどさ。
こっち触んなくてもアナルいじられるだけで、カウパーダラダラ垂れる。
イキたい……早く……!
「うあ……はっ……ふ、あ……ッ」
もう1本指が足され、グリッと中に入ってきた。
「痛くねぇか?」
耳元に涼弥の声。
「もう少しだ」
指の束がアナルの入口で小刻みに振られる。
襞が伸びてる感と中のギチギチ感……けど、ほしいのはコレじゃない。
「ん……あ、あッそこッ……!」
ビリっと奔る快感が腰を震わせる。
コレは理性を削るけど、やっぱり……ほしいのは違うモノだ。
「悪い。あたっちまう」
「ッあ……もう、挿れて……今……す、ぐ……」
「大丈夫か? 3本入ったが……」
顔を上げ、涼弥の口に舌を差し入れ。涼弥の舌を舐めて強く吸って、離す。
「ほしい……お前のちんぽ、中……ここ、挿れたい……んッ……」
腰を揺すり、動きの止まった涼弥の指に意思を伝える。
とにかくもう、今すぐ1回イキたい……!
風呂場の湿度と温度のせいか。
ラブホテルにいるってシチュのせいか。
そそり立つ涼弥のペニスが放つ、視覚的な刺激のせいか。
もちろん、アナルに与えられてる直接的な刺激のせいもある。
大前提として、涼弥が好きだからってのもある。
このままじっくり解されてたらイク。3分ともたずに。
指じゃなくペニスでイキたい……!
涼弥をフェラでイカせたくせに勝手だな俺。
自分はイク時、涼弥と繋がってたいとか。
それでも何でも。
今は一刻を争う。
この盛る気を宥めなきゃ、早く宥めなきゃ……どこかの何かのリミッターがブチ切れそうで。
理性1パーセント未満の淫乱になる予感がする。
「もうっ、挿れてくれ……!」
「いいぞ。今挿れてやる」
とろけそうな笑みを見せて、アナルから指を引き抜いて。勃ったペニスにローションを直に垂らし、まんべんなく塗りたくる涼弥。
「はっ……あ……俺すぐ、イク……けど、続けていいから、さ」
「ああ。やめる気はねぇ」
俺の身体をグッと寄せ、涼弥がペニスの先とアナルの位置を合わせる。
「腰落とせ。ゆっくりな」
「ん……あ、くッ……ふ……あッ……つッう……ッ!」
ゴム越しじゃないペニスが俺のアナルをこじ開ける。
ツルツルじゃない肉と肉が、ヌルヌルの液体の助けを借りて……絶妙な擦れ具合でハマってく。
逸り過ぎるほど逸る気持ちのおかげで、ためらいゼロで腰を沈める力を入れることが出来て……。
「ッあ、んッ……入るっ、あッ……!」
ずぶりと入った。
亀頭をがっぷり飲み込んだアナルの口はパンパンに張ってるっぽいけど、大丈夫……。
「く……お前ん中、もう熱々だ」
「は……涼弥……っは……あッ……」
解しは足りてた。
で。いろんなとこから集まってる快感の波も、十分に足りてて。
ちょっと腰を上げて下ろしただけでもう、脚が震える。腰が震える。
挿れただけで気持ちいい。
今にもハジけそう。
くる……もう……!
「イケ、我慢するな」
涼弥が下から腰を突き上げた。
「やッ……あ……もッイクッ、あッ……ああッツ……ッ!」
奔る快感に身を反らし、ビュクビュクと精液を飛ばした。
長く感じた射精の余韻でクラクラする頭を涼弥の肩に預けて脱力する俺の耳に、熱い息がかかる。
「これからだ……もっと気持ちよくなれ、將悟 」
涼弥が俺の尻を鷲掴み、ペニスをズズンッと突き挿れた。
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