233 / 246

★54-5 一緒に溺れろよ

 弛緩した身体は涼弥のペニスに完全無防備で。ダイレクトに突かれる前立腺から、強烈な刺激が脳ミソまできた。 「ひあッ! ア、アッ! やッ……う、あ……ッ!」  待て……って。  言わない理性はまだある。  続けていいって、言ったのは俺だし。  涼弥が快感を追うのを、我慢させるつもりはないし。  俺も今夜は我慢しない。 『メチャクチャにされたくないの?』  玲史に言われて、ないって答えたけど。  ひどく扱われたいとは全然思わないけど。   メチャクチャ感じて溺れたい……! 「は……お前ん中、すげーいい……イッてとろとろだ」  耳に響く涼弥の声。  ゴリゴリといいとこを攻められて、引く間もなく次の快感の波が押し寄せる。 「んッ、はぁ……はぁっ、あッおれ、も……いいッ……あ、ん……」  顔を上げたらキスされて、口内も犯される。  涼弥の舌を必死に吸って、上顎を舐られて。絡める舌が気持ちいい。  キスの快感もプラスされた俺のペニスは、出したばっかの精液にまみれたまま勃って揺れて。腹にぶつかってさらに硬くなる。 「ッあ、りょう、や……も、くるッイキそ……あ……んッ!」 「好きなだけ、イッていい……いくらでも、つき合ってやる」  ガッシリ掴んだ俺の腰に、ガンガンペニスを打ちつける涼弥は……まだまだ余裕そうだ。  熱くて硬い肉が、俺を攻める。快感がペニスの根元で渦巻いてる。  もう……無理……。 「んッ……あッくッ、いいッイクッ……ッあ、あッあああッッ……!」  気持ち……い……ぺにす……はれつしそ……。 「はぁッ……はッ……は……っは……ッ……ッ!」 「中、すごいな。吸いついてくるみたいだ」  涼弥が抜き挿しを再開する。  まだビクビク脈打ってる直腸の壁を無遠慮に擦り上げ。 「ちょっと深くするぞ」  俺を支える力を弱めたらしく。 「ツ……ッ……!」  今までの倍くらいペニス入って……息、詰まって……。 「う、あ……や……ッ」  コワイ……!  奥、おく……涼弥のが……!  少しでもペニスの入りを浅くしたくても。2回イッて、すでに腰が立たってない。脚もガクガク。  涼弥の支えだけで深々と座り込まずに済んでるっぽく……なすすべナシ。 「大丈夫だ。前はもっと奥まで挿れただろ? 痛いか?」  俺の腰をゆっくり揺すりながら、涼弥がやさしく聞いてくれる。  やさしい声。  やさしげな笑み。  やさしくなく、ズクズクと内臓を突くペニス。  前、こんなだったか?  はじめての時は、いろいろいっぱいいっぱいで……でも、奥が気持ちよかったのは覚えてる。  先週のも、気持ちよかった。前立腺も奥も。アナルの中で快感を得ることに、早くも慣れて……ドライでもイカされた。  でも。  こんなにゾクゾクぞわぞわ、なんなかった……!  怖いのは、身体が傷つきそうとかじゃなく。  とけそうで。  俺と涼弥がまざりそうで。  繋がってるとこから一体化しちゃいそうで。  そう怖くなるくらい、涼弥を感じてるからで……。 「い、たくない……んッ、りょう、や……好き……だ」  言葉じゃ足りない。  身体じゃ足りない。  だけどさ。  だからさ。  惜しみなくあげなきゃな。 「好き……お前、もっとッ……感じたい、から……来いよ……」  若干焦点のブレる目で、涼弥を見つめる。 「セーブ、しなくて……いい」  見つめ返す涼弥の瞳にある欲情と愛情。全部、俺のだ。 「將悟(そうご)……好きだ」  うん。   「しっかり掴まれ」 「え、なに……」 「あっち、マットに行く。立つぞ」  それを聞いて、涼弥の首にしがみつく。 「う、あッくッ……!」  思ったより、衝撃がきた。  俺に突っ込んだまま立ち上がった涼弥が、尻を掴んで抱っこしてくれてるけども。  支えられて腿に座ってる体勢よりずっと、体重がアナルにかかって……刺さった感。ペニスが。内臓に。  腕に全力を込めて、身体を持ち上げて。  強い圧迫感が少し楽になる。  浴槽を出て。涼弥がシャワーでマットを流し、俺をそこに下ろした。  表面が塩ビっぽいマットは、そこそこの厚みがあって硬くない。 「んッ……ふ……はぁ……」  やっと、力抜いて息をつく。 「大丈夫か?」  見下ろす涼弥に、微笑んで見せる。 「ん、平気……」  繋がったままだから。横になって体勢が整ったら、中が即座に疼き出す。  それは涼弥も同じなわけで。 「動いていいか?」 「うん……早く……」  笑みを浮かべた涼弥が、俺の頭を撫でて軽くキスを落とし。 「もう、止まんねぇぞ」 「ん、いいよ……く……あッ」  硬い肉を打ち込み始める。  ズルリとアナルの口まで引き抜いたペニスを、ズブリと深く埋め直す。腸壁を擦り、前立腺をカリで掻きながら。  繰り返す。  グチュリグチュッ、ンチュグリ、ンチュッ……粘ついた水音を響かせながら。 「っあ、んッ……あッ……りょう、や、うッ……ん……あッ……!」 「気持ち、よくなれ……」 「なっ、てるッ……あ……き、もち……いいっ、もっ……とッ……」  ようやくビクビクが収まった肉が、次の快楽をほしがってる。  快感が奔って溜まる。どんどん。どんどん。  下半身に。  腰に。  アナルに。  ペニスに。    俺に。 「ッ……あッ、んッ、く、るッ……もう、イクッ……も……ッ」  2回目イッて3回目も、時間かかんないでくる……! 「いいな。その調子だ」  ニヤリとした涼弥の顔が霞む。 「あ、あああッ! んッ……あ、あ……ッ……!」  胸にビシャって精液がかかる。  さすがに薄くて水っぽい。 「はぁ……はぁっ……はぁ、涼弥……」  そろそろ……お前もイケよ……俺、もたなくなる……から。  瞳でそう言った。 「もっとか?」  伝わらず。  涼弥が震える俺の腰をシッカリと掴み直す。 「奥、突くぞ」 「え……おく……」  じゃなかったのか? 奥だったよ!?  イッた直後の痙攣の中を、ペニスが抉る。  容赦なく。  さらに奥へ。 「ツ、あ、ひッ! ああッ……! ん……ッ!」  くるし……! 「お前のここ、喜んでるみたいに……くッ……きゅうきゅうしてるぞ」 「ひあッ……りょ、うやッ……!」  気持ちよくて、俺のそこも喜んでるよ。けど……。 「もっすこし……ゆッくッり、あッんッあ……やッ……そこッ……」  奥、ヤバ……い……理性……削られる……! 「いいん、だろ、とけた顔に、なってきた……」  涼弥が律動のスピードを上げた。 「かわいい、な」  息は荒いけど、全然まだ続けられそうな……続ける気満々な涼弥に。  意識飛ばない限り応えたい。  満足させたい。  けど。  これ……続いたらおかしくなる……!  イッたばっかなのに。  3回も出したのに。  まだ腰ガクガクなのに。  奥突かれると、苦しいのの向こうにある快感がほしくなって。  ガンガンされるごとに、ガンガン崩れてく。  恥ずかしいとか。  みっともないとか。  淫乱じゃないはずとか。  そういうのが……。  どうでもよくなる……!  だって。  気持ちいい。  頭しびれる。  もう、イキたくなってる。  もっとガツガツ来いよ……って。  もっと俺を楽しめよ……って。  お前も余裕なくせよ……って。  お前も、おんなじくらいほしがれよ……って。  一緒に溺れろよ……って。  触れてるとこから、ちゃんと伝わってるか……? 「りょう、やッあ、おれッ……おかしく、なるッ……」  擦られ続ける前立腺がビリビリする。  突かれ続ける奥のすぼまりが、快感の渦をうねらせる。 「なっていい、なれ、將悟……俺を、ほしがれッ」 「うッ……! くッ……あ、りょうや……おまえ……ほし、い……ッ!」  強いひと突きを打ち込んで。涼弥が俺を抱きしめた。

ともだちにシェアしよう!