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★55-6 もう、底がない……!

「ッア……はぁッはぁッ、ン……はぁ、はッ……」  酸素が足りなくて、呼吸が速い。  力入れて握ってた手のひらが、硬い鎖の圧で少し痛い。  下半身が快感で痙攣してる。  けど。  意識はハッキリしてる。  瞬きで涙を落としたから、視界の真ん中にきた涼弥もちゃんと見える。 「將悟(そうご)……」  笑みを浮かべた涼弥の顔が近づいて、チュッとキスが落とされた。  手をギュッと握られて、握り返す。 「指もぎこちなくねぇな」 「ん……ありがと……もう、大丈夫、だ……から……」 「まだやめねぇぞ」 「と……うぜん」  息を吐いて、笑った。 「あとは……お前が、気持ちいい、ように……やって」 「いいのか?」 「うん……」  何されても、俺も気持ちいいだろうし……。 「イキたい、だろ?」 「そりゃ……お前ん中、ずっと喰いついてるからな」  涼弥が握った俺の手を揺する。 「コレつけたままでもいいか?」 「ん……もう平気、だけど……なに……お前、拘束プレイ……興奮する、の?」 「……する……しねぇか?」 「しない。まだ、そこまで……ポジティブじゃ、ない……けど……」  熱のこもった涼弥の瞳。  俺の中の二人分の熱。  手でしがみつけない触れない、もどかしさ。  コレも快楽の種類のひとつ……なら。 「楽しむよ、一緒に……」 「ああ、一緒だ」  微笑みを交わし。腕を回せない俺を涼弥が抱きしめる。  身体を密着させたまま、俺の中で熱が動く。  消えてない欲はすぐに燃える。 「っあ……ふ、あッ……だめ、だ俺……ッ……!」  ブルっとして弱音を吐くと、耳の下に舌を這わせてた涼弥が顔を上げた。 「どうした?」 「もう、気持ちいい……んッあ……これじゃ、お前がイクまで、もたな……ッあ……!」 「ッく……」  ゆるゆると抜き挿ししてたペニスをズブっと突き挿れて、涼弥が嬉しそうな顔で息を漏らす。 「心配するな。お前がイキまくって飛んだら、すぐイク」 「そ……の前に、イケよ……」 「もったいねぇだろ」 「ッ……なく、ない……」 「俺で乱れるお前、ずっと見てたい……最高だぞ」 「ズルい、じゃん……ッ……あ、待て、んッああ……ッ!」  涼弥の動きで、前立腺とペニス両方を刺激され。 「ちょッと、くッ……前……離れろ、むりッあ、つら……いッ」  出したばっかのペニス、挟まれて擦られるとつらい。  気持ち、いいはいいんだけど……なんか、外に出せない何かが溜まって……つら気持ちよくて……あー!って叫びたくなる。 「イッてすぐでも、潮吹けるだろ。ドライでイカせる、のも……たまんねぇ」 「やめろッ……もう、ちんぽ……握って止めん、なよ……」  身体を起こした涼弥に急いで言う。  前に強制ドライされた時。勝手にやるなって、わかったっつったのに。今バックの時やられた。  もう嫌だ。  自分で空イキしちゃうのはしょうがない……としてもだ。 「わかった。なら、奥突いてやる」  甘くギラつく瞳をした涼弥が、俺の腰を抱えた。 「好きだろ。おかしくなっていいぞ。淫乱でエロくなったお前に……ねだられたい」 「とっくに、なってるって……うッあ……ッつ……」  ググッと突き進んできたペニスが奥にあたる。 「ん、あッそれッ……ふ……あ、あッ!」 「いいか?」 「いッ……いい、あ……りょうや……ひッ……ッ!」  ズクンズクンと奥を攻められ、息が止まりそうになる。    内臓、揺れる……脳ミソ、揺れる……!  気持ちいい……溺れる……! 「んッあ、やッく、るッ……くッああッ! そこ、むりッ、あ、やッ……!」  腿を掴んで広げられ、アナルを上向きにされた。  突き下ろすような涼弥のピストンが、理性を吹き飛ばす。  アナルの口から直腸を一気に抉り、奥のすぼみに嵌め込まれては引き抜かれるペニス。圧迫感。バカデカい快感とちょっとの苦しさが重なってく。  この体内を侵されて陥落してく感覚は、隠し味のスパイスみたいに快感を増幅させる。 「うッくッ……! は……もッイッちゃ、ああッふ……イクッあアア……!」  アナルの中で渦が弾ける。  あ……出せない……でイッた……コレ、終われな……い。 「ッ……中、ヤバいな……」  ペニスがあたってる肉の収縮が止まらない。 「あッ、りょ、うや……おまえ、も……ちゃんッと……ア……」 「ああ、気持ち、いいぞ……ッ」  ストロークを緩めて細かく奥をつつく亀頭の振動が、イッてる俺を襲う。 「ア、や、クル、出るッアアア、ヒッ……!!」  ペニスとける……バカになる……!  ビシャビシャッて水音で、精液じゃないモノを出したのがわかった。  潮だろうが何だろうが……どうせ同じ。コントロール不可能だ。 「や……りょうやッ、ぶっこわれ、そ……んッあッ……」 「壊さねぇ、大丈夫だ……」 「ふ……あ……ッ、こわし、ても、いい……」  涙目で涼弥を見て。手を伸ばして触れないことに悲しくなった。  怖くなくなったけど。  囚われてる感も悪くないかもしんないけど。  拘束プレイ、今は好きじゃない。 「あ……りょうや、もッ……」  外してくれ……って、言おうとした。 「もっとだろ」 「んッちが……あ、くッ……!」  おく! むり! 「ひア、ン、アアッ!」 「もう少し、奥……いいか?」  そんなの、ある……? もうじゅうぶん、おくはいって……るんじゃ……。 「い、い……こい、よ……」  口から嫌って出ないのは、きっと嫌じゃないから……か?  頭も身体もフワフワで……。 「將悟……悪い、もう……あんまり、もたねぇ。お前ん中、よ過ぎだ……」 「んッいい、から……う……ア、ア……ヒ……ッ!」  俺の尻を掴み、涼弥がズンとペニスを突き刺す。  ズン、ズグンッ……。  3度目で、奥が開いた……ような感覚。  ほんのちょっとだ。ほんの数ミリとか……行き止まったとこ進んだだけ……でも。  快感も、深く……なった。 「ア……ッ……ア……りょ……」  手をガチャガチャ揺する。 「は……ク、い、く……ア、アアアアアッッ……ッ……!!!」  尻を上げられたままのけぞった。  足の指がビキッってした。  空イキの絶頂感が強過ぎて、身体が浮いてるみたいで。 「將悟……」  眉を寄せた涼弥の顔。  心配すんな……。  続けろよ……。  ビクビクばくばくしてて中……お前も、気持ちいい……だろ。 「はぁッん、はッ……はぁッ……だいじょ、ぶ……ッア、や、なん、で……アッまた、くるッ……アアッアッ……ッ……!」  イキっぱなしの俺。  もう、底がない……! 「ッは、ふ……おまえ、も……イッて、はぁ……ん、あ……」  もう、飛びそう……だから。 「んッ、おまえの……だすの、かん……じたい、あッ……りょうやッ、イクッ……ヒ、アアアッッッ!」」 「今、やる……イクぞ、中……」  快感に掠れた涼弥の声。  痙攣する身体。ガクガクの腰も脚も、もう自分で動かせない。  アナルの中だけ脈打って貪欲に、獰猛なペニスに喰らいついてる。  もっとほしい……って。 「や、あッおくッ……いいッもッ……とッや、ああッ……ア、ヒッ……!」  空イキを繰り返す。  もう、終わりと始まりがわからない。 「んッイッ、ア……イクッ! もッ……まッアアッ! りょうッや、アッ、ン、ンッア……ッ!!!」 「あ……く、出る……將悟……ッ、う……ッ!」  直腸の奥に、熱い……熱いモノが注がれ、視界が回る。 「ヒッ、ア……ッ……」    快楽に、のまれる……。  閉じれない唇を、垂れたヨダレごと舐められて。反射的に突き出した舌を吸われて。   「は……お前と、とけちまいたい……」  耳元で囁かれる声にも反応する。  心も身体も。 「アッ……ン……ッ……」  けど、言葉は紡げない。  精液を吐き出したペニスはまだ俺の中にいて、涼弥はまだゆっくり腰を動かしてて。 「將悟……愛してる」  トドメに言われたら、応えるだろ……心も、身体も……。 「りょ……う、や……」  アイ……シテル……。  伝われ……。  とけきった頭と身体でイキながら願う俺。  ちょっと休ませて……すぐ起きるから……な。

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