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第20話 テスト勉強
『じゃぁ、飯食ったらてっちゃんちに行くから!』
……
……だよな~
来るよな~!
だと思ったんだよな~
家についてしばらくすると、スマホに薫からメッセージが届いた。
「母さん今日薫来るわー。テスト勉強しに」
「へー珍しい。かおちゃんテスト勉強するのね~」
「今回数学やばいらしいからさ、たまには見てやろうかなって」
「数学苦手だものね~かおちゃん。そうだ!かおちゃん用のお布団用意しておくわね」
……お、お布団。
ヤバ……お布団って聞いただけで、一気にエロワードみたいになる俺の脳内。
お布団……ヤバくね?
薫と一緒に寝るとか久しぶりだし、布団に寝転がる薫を想像しただけで、顔がニヤけるんだけど。
あー!イヤイヤ!
今回ちゃんと勉強教えてやらないとっ!あいつにちゃんと点数採らせてやりたいし!
……って思いながら違うことも教えてやりたい……エッチなあんなこともこんなことも……
あ、てっちゃん……そんなこと駄目……や、なんか変になっちゃう……とかとか?
……
「うあーーーーーー!!!最高ヤバい!!!」
「え!何!?ちょっと哲嗣?あんた大丈夫!?変なものでも食べた?」
「……だ、駄目かも……って大丈夫。ななななんでもないっ!飯飯!!」
俺の叫びに母親が盛大に驚き、不審がられてしまった。
ですよねー!
あんたの息子おかしいんですよ!!いや?おかしくはないぞ好きなヤツのことを思って何が悪い!健全だ健全男子!
晩御飯のカレードリアを頬張りながら、ワクワクしながら薫が来るのを待った。
「あ、哲嗣かおちゃん来る前に先にお風呂入ってよー。ガス勿体ないから」
「はいはい」
食べ終えた食器を片付け、着替えを手にして風呂場へ。
熱めのシャワーを浴びて汗を流し丁寧に洗っていく。
蒸し暑い日が続いているからシャワーだけで十分スッキリする。
「あー風呂最高ー!」
「え!てっちゃん風呂入っちゃったの!?」
「……」
風呂場から出ると、脱衣場で仁王立ちしているのは薫で、無表情だけど何故か不機嫌そうに口を尖らせていた。
……いや、風呂は自分家で入って来いやーーーー!
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