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第35話 火花
「ふ、ふざけんなーーーーっ!!」
バッチーーーーーーン!!!!!
俺の脳内に火花が散った。
確かに散った。
キラキラと光る綺麗なやつだ。はっきり言って脳みそ揺れた。
「あんた!!!最っ低!!」
はい……仰る通りですその通り。
「それに!あんたもっ!なんなのよ!!」
……
えーと……
それは多分、俺の背中にくっついているこいつの事だ。
無言で背後霊みたいに俺の背中にくっついている薫は、相変わらずの無表情。
まやちゃんにきちんとケジメをつけようと、昼休みに踊り場に呼び出した。
呼び出したのはいいんだけど、何故か薫までくっついてきてしまった。
昼下がりのまったりとした踊り場は修羅場とかして、彼女から盛大なビンタをくらった時も、薫はしっかり俺のシャツの裾を握りしめている。
この至近距離でこれを傍観している感じは薫らしいというかなんというか……
「……ごめん……本当、ごめん。まやちゃん」
「別れるとかなんなの!ついこの間付き合おうってなったばかりなのに!人のことバカにして……!」
「てっちゃんは、もとから好きじゃなかったんだって〜」
「っ!!!はぁ?あ、あ、あんた!ちょっとなんなの!あたしに喧嘩売ってんの!?」
「だって…」
「わー!悪い!!マジ気にしないで!つかマジでごめん!……俺そういうの嘘ついてとか我慢してつきあいたくないんだよ……」
「……そんなこと言っても最低には変わりないわ。人の気持ち……なんだと思ってるの……」
「……」
まやちゃんの瞳からは涙があふれて、ポロリと頬を伝い零れ落ちた。
……う、女の子の涙には弱いし、それにあーやっぱり可愛いなって思ってしまう。
「……って?てことは?ちゃんとした本命がいるってことでしょ。誰よ」
「……あ?えーと」
「こんな酷い扱いされたあたしは勿論知る権利あるわよね!」
「そうだよな。そうだよな、うん」
「本命は俺だよ~俺」
!!
あっのなー!
この背後霊っ!!喋んな!!
「はあ?何言ってんのよ。あんた男じゃない」
「男だけど、てっちゃんが一番好きなのは俺なの〜」
「あーーー!薫っ!お前喋んな!」
「ならっ!証拠見せなさいよ!キスして見せてよ!キスーー!」
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