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第44話 介抱するはず
「はぁ……はぁ……ぅぁ……やば……」
夢中で揺らしていた腰の動きは緩やかになり甘い脱力感に襲われた。
クソ……気持ちい……
薫の上に覆いかぶさって少し小柄な身を抱きしめてやる。身体を密着させてお互いの鼓動を感じるくらいぴったりと。
ドッドッドッドッド……
「はは……スゲーな……」
「え」
「心臓の音。バクバク言ってる」
「うん、てっちゃんの心臓の音凄いよ。俺もだけど……」
「だな……痛くなかったか?」
「だ、大丈夫……」
「そか……」
「……」
「……」
ちょっとした沈黙が広がると、急に恥ずかしさが込み上げて来てしまい、薫の顔がまともに見れない。萎えたブツを薫の身体からずるりと外し、ゴムを外していそいそ身支度をする。
うわぁーやってしまった。
薫と……
シちゃったぜ!
妄想ではなく現実でだ!!
想像以上の気持ちよさで直ぐにイってしまったのが超勿体なかった!!
もっともっとパンパンヤリてぇー!
「てっちゃん」
「っと」
隣にいる薫が腕に絡みついて来てハッと我に返る。俯いて顔は見えないけど十分照れているのが分かった。
「あの……」
「……お、おう」
「……スゲー……気持ち良かった」
「……」
「やっぱり、てっちゃんはカッコイイね」
「はは……なんだそれ。気持ち良くて良かったわ。俺も気持ち良くて直ぐイッちゃったしな。薫の中スゲー気持ち良かった……」
「はぁ〜本当は俺が介抱するはずだったのになぁ〜」
「……これが介抱じゃねぇの?」
「だって、てっちゃんナース好きだろ?せっかく用意してたのに……使うタイミング逃したわー」
「……は?」
そう言いながら薫はクローゼットから箱を取り出し見せてくれた。
「コスプレ、ナース……白衣……なんだこれ」
「ネットでポチッたんだよ。てっちゃんナースとかメイドとかニャンニャンとか好きだろ?こういうのちゃんと用意しておいたんだけど、使わかなったなぁ」
箱には金髪女子がワンピースタイプのナース服、頭にはナースキャップをつけて聴診器片手にウインクしながら可愛らしくポーズをキメていた。
こ、これを!……か、薫が用意っ!?
薫が!!
これをっ!着たらっ!!!
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