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第52話 熱くて
薫
身体が熱くて苦しい……
そう言われたら、脱がしてあげないといけないかな?
ベッドに仰向けになったてっちゃんは、少し苦しそうにそう訴えてきて戸惑ってしまった。
お芝居だとわかっているけど、てっちゃんの顔が切なげでドキドキしてしまう。
うわぁ……てっちゃん、色っぽいよ……
流石というか、自分の見せ方がわかっているのか、俺を見る瞳は優しくて艶っぽくてまつ毛が綺麗だと思った。
眼鏡をかけていても、カッコ良さは隠せない。
むしろ眼鏡もてっちゃんのカッコイイに一役かっている気さえしてしまい、眼鏡越しの瞳や乱れた前髪さえも魅力的に見える。
それにエロい感じがしてムズムズしてしまう。
この間のエッチは忘れていない……
てっちゃんと初めてシタあれは恥ずかしかったけど、とっても嬉しくて気持ちよかった。
好きな人に触れてもらう事があんなにいいものだとは知らなかったし、思い出すだけで身体が熱くなり、腰の辺りがズンってする……
またあんな感じにエッチするんだろうと考えると、ドキドキしてきてしまって冷静になれなかった。
スカートを捲ってもいい?って聞かれて、素直にいいよって言えばよかったのに、何故か焦って駄目とか言っちゃうし。
本音は駄目じゃなかったけど、恥ずかしくてつい駄目って言っちゃった。
……下着穿いておけばよかったなぁ……
どうせ脱ぐんだろうし……と、その時適当に着替えてしまったことに後悔した。今になって馬鹿だなぁって思う……
「はい、じゃぁシャツ脱ぎましょうか」
「はーい」
てっちゃんのシャツのボタンに手をかけて一つ一つ外していく。
少しずつ露わになっていく胸元や腹にドキドキがとまらない。
シャツを脱がすと、鎖骨から腹筋でしまった綺麗な腹をついつい眺めてしまう。
「あの……そんなに見つめないでくれますか~恥ずかしいっす」
「え、ああああごめんなさい」
「なんてね。薫になら全然見られてOKだから。具合悪いところないか触って調べていいよ」
「え!」
「ほらほら~診て下さい」
前髪を掻き上げながらニヤリと笑うてっちゃんの流し目がエロ過ぎて、目が潰れるかと思った。
きゃー!!
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