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第3話「街で偶然」
「あれ?康臣?」
その日、俺は仕事が休みということで買い物に出ていた。新しくTシャツを買ったり、趣味のバイクのパーツを探したりして店を廻る。
あらかた買った後に、どこかで食事をしようと店を探して、俺は街をうろついていたいた。
そんな時、見覚えのある人物に気がついた。
見慣れた制服とは違ったから一瞬わからなかったが康臣だ。
「え?あ。き、清?」
康臣は俺をみとめると、少し驚いた顔をしてそう言った。
俺はこんなところで会えたことが嬉しくて、駆け寄る。
「偶然!」
「う、うん。偶然だな……」
康臣は少し気まずい表情になって、それでもぎこちなくだが笑った。
なんだかいつもと違う気がする。いつもなら優しく微笑み返してくれるのに。
「どうかした?」
「い、いや。こんなところで会うとは思ってなかったから、少しびっくりして……」
康臣は気まずそうに頭をかき言った。それでも微妙に目は逸らす。
もしかして迷惑だったのだろかと考えていたら、それを察したのか康臣は慌てて「いや、ほんとだって」とフォローするように言った。
「康臣も買い物?」
ここは街の中心部、色々な店が並ぶショッピング街だ。康臣がここにいるのなら休みなのだろうし、俺と一緒で買い物の可能性が高いと思った。
「いや、これからちょっと晩飯食べて、その後飲もうかと思って」
「俺もこれから食事に行こうと思ってたんだ。お店決まった?なんだったら一緒に食べようよ」
もしかしたら、ゆっくり話せるかもと、俺は嬉しくてそう言った。店でならいつものような時間制限はない。
「え?えーっと……」
「あ、もしかして誰かと約束とかしてる?」
少し口ごもった康臣の言葉に、その可能性に気がついた。それだとあまり無理は言えない。
「い、いや。大丈夫、一人だよ」
康臣は慌てたようにそう言う。そうして「どっか、美味しい場所知ってるか?」と聞いてくれた。
そこからは二人で相談して、食事をする場所をえらび初めて食事に行けることになった。
取り敢えず店は食事や飲みも出来て、喋れる所がいいだろうということで居酒屋に決まった。
今日は平日だったからいい感じに店は空いていた、あまり騒がしくもなくゆっくりできそうだ。
俺たちは適当に注文して、乾杯をして飲み始めた。
「そういえばなんか、街で見たときも思ったんだけどいつもと雰囲気が違うね。私服だからかな?」
飲み始めてしばらくして俺はそう聞いた。
「え?そ、そうか?……」
康臣は何故か、また少し気まずそうに言葉を濁す。なにかまずいことを聞いてしまったのだろうかと首を傾げる。
「うん、意外だったけど。でもめっちゃかっこよくてびっくりした」
そうなのだ、康臣はいつものきっちり着込んだ制服からは、想像出来ない服装をしていた。
タイトめのVネックのシャツに黒のスタイリッシュなパンツ、髪の毛も少し遊ばせるようにセットされていて。よく見ると指や首にはシルバーのアクセサリも身につけていた。
さりげないデザインだから目立たないが、スタイルが良く、整った容姿の康臣には良く似合っていた。
だからそう言うと、康臣は少し驚いた顔をした後、少し恥ずかしそうに 頬をそめ「そ、そうかな……」と俯いてしまった。耳もほんのり赤い。
「っ!……う……うん」
何で、そんなことで赤面するのかわからなかったが、その表情がなんだか可愛いくて、俺もつられるように顔が赤くなってしまう。
なんだか変な雰囲気になって、二人とも黙り込んでしまった。
俺は慌てて、何か言わないとと話題を探す。
「そ、そういえば。今日は本当に偶然だったな、休みがかぶるのはあるとしても、こんな街中で会えるなんて」
「ああ。そういえばそうだな、清は何してたんだ?」
そう言うと康臣は少しホッとした顔をすると笑った。
それで変な雰囲気は霧散し、何もなかったかのように会話は普通に戻った。
初めての康臣との飲みはとても楽しくて。飲みが進むにつれ、さっきのことはすぐに頭の片隅に追いやられた。
だけど俺は赤くなった康臣の耳がなんだか気になって仕方なくなって、その後もずっとそこばかり目で追ってしまった。
「うわー。今日は飲んだな」
テーブルに並んだコップを見てつぶやく。
こんな風に思いっきり飲んで楽しいのは大学生の時以来だ。
社会に出てからの飲み会は先輩ばかりで気を使うし、昔からの友達もみんな社会人になっているから、そんなに頻繁に飲めるわけではない。なにより俺は休みが不規則だから、なかなか機会がないのも理由だ。
だから、いつもより飲みすぎた。そんなにお酒には弱くないのに、最後には少しよろけるくらいには酔ってしまった。
それは康臣も同じだったのか、白い肌を赤くさせ目もトロンとしている。
時間も忘れて喋っていると、いつのまにか終電はとっくに出ていた。迷惑そうにラストオーダーですと定員に言われて初めてその事に気がつく。
会計をすませると、酒のせいでぼんやりした頭で店を出た。
「どうしようか」
正直お酒のせいか気が大きくなっていて、あまり危機感は感じていなかった。
しかし、二人とも明日も仕事だ。
「うちに、泊まっていくか?」
康臣がそう言った。聞くと、康臣の家はその店から近いらしい。
「え?いいのか?」
「全然いいよ、大丈夫」
俺はその言葉に甘える事にした。
「でも、いいのか?迷惑じゃない?」
道すがら俺はそう聞いた。仲良くなったとはいえ、仕事上でしか繋がりはないし、今日初めての飲みで家まで泊めてもらうのはなんだか悪い気がする。
「気にするな、そんなに広くないし床で寝てもらうことになるけど……」
「全然良いよ!」
迷惑かけるのは俺の方なのにそんな風に気を使ってくれる優しい康臣に、俺は純粋にまだ一緒にいられることが嬉しくてそう答える。それにこれで、明日もなんとかなる。
俺は気が楽になってさらに陽気な気分になってきた。
こんな風に友達の家に泊まるのも、学生の時以来だ。
出来れば今後も、予定を合わせて康臣と飲みに行ければななんてことも思っていた。
康臣は俺と同じく一人暮らしだそうだ、住んでいる部屋はアパートとマンションの中間のような建物の一室だった。
「散らかってるけど、どうぞ」
「お邪魔しま〜す」
二人とも少しふらつきながら部屋に入る。
歩いたせいかさらに酔いが回ったようで、そう言ったあと何が楽しいのかまたクスクス笑い合った。二人とも意味もなく陽気になる。
部屋に入り、靴を脱いでフラフラしながら中に入る。暗くて周りがよく見えない。
しかし、康臣はなれたように先に進む。
「えーっと、明かり明かり……っと、うわ!」
しかし明かりを付けようとして、フラフラしていた康臣は足を滑らせ倒れそうになった。
「おわ!っと大丈夫?」
俺はとっさに抱きとめる。康臣はそれも面白かったようで「ごめんごめん」と言いながらクスクス笑う。
「…………」
俺も楽しくて笑っていると、突然康臣が黙る。まさか眠ってしまったんじゃないかと思って「あれ?どうした?」そう聞くと、寄りかかった状態のまま康臣がするりと腹を撫でた。
「清って、結構いい体してるよな……」
康臣はトロンとした目で上目遣いでそう言った。俺はやけに色っぽく見えてドキッとする。
「え?そうかな?」
俺はいきなりどうしたんだろうと思いながらそう言った。
抱きとめた体制のままぼんやりとそう返事したが、康臣のその手つきがなんだかいやらしくて腕の中にいる康臣の体温を、今更ながら意識した。
「うん、前からそう思ってた。バランスもいいし筋肉も付きすぎてなくて。でも、がっちりしてるからかっこいいな……って」
康臣はそう言って、へそから胸に向けてするりと愛おしそうに撫でる。しかも楽しそうに微笑みながら。
何故か心臓が変な風に跳ねた。
康臣は、男のくせになんだかいつもいい匂いがしている。
その上、今はぴったりと密着しているせいで、その匂いに包まれている状態だ。
いつのまにか両腕を回して康臣を抱きしめていた。なんだか変な雰囲気になっているなと心の奥で思っていた。でも不愉快だったり嫌悪感は無い。むしろ腕の中の康臣は俺の腕にしっくり収まり少ししっとりしたその感触は心地いい。
康臣は俺より少し華奢だ、しかしだからと言って女の子とは違ってがっしりしている。
もし今、腕の中にいるのが女の子だったら確実にベッドに押し倒してる。
だけど相手は男だ、抱きしめた感じも全然違う。
「康臣……」
だけど酒のせいなのか何なのかわからないが、そのことに興奮してくる。
だめ押しのように康臣が、また嬉しそうにうっとりと胸に頬を寄せ胸筋に手を滑らせる。
柔らかそうな唇が半開きになっていて、気がついたら俺は顔を寄せキスしていた。
頭の隅では何してるんだという声がしていた。
なんせ相手は友達で同性だ、やめた方がいいんじゃ無いかと誰かが言った。
でも康臣は嫌がるどころか少し動きを止めた後、自分から腕を絡めて引き寄せ唇を合わせた。
食むように何度も唇を合わせる。
康臣の唇は想像以上に柔らかくて、やばいんじゃないかと思うのに止まらなかった。
「……ん」
しかも鼻に抜けるような吐息の後、康臣は口を開けて舌を差し出して積極的に絡めてきた。
その行動で、頭の隅にあった躊躇は跡形もなく消え。さらにキスは深くなる。
康臣の口の中はとても熱かった、そして舌はヌルヌルでいやらしく舌に絡みつく。俺は気持ちよくなって、さらに舌を差し込み音がするほ中を探る。
クチュ、チュっと水音が響く。
さっきまでの楽しい雰囲気は消し飛んで部屋には淫靡な音が響く。
俺は夢中になって康臣の唇を味わう。少しお酒の味がしたが甘くも感じる。
康臣に触れている所がやたらと熱い。
薄暗いせいか視覚以外の感覚が鋭くなっている気がする。康臣はいやらしく体をこすらせて動くから、当然のように体の中心に血が集まって固くなってきた。
息継ぎのために顔を離すと、とろりと糸を引いた。
康臣の唇は唾液で濡れていて、誘うように舌がチラリと覗かせる。
頬が火照って潤んだ瞳はいつもと雰囲気も違っていて、襲ってくれと言っているように見える。
だけど、俺たちは男同士だ。頭の中でまた誰かが言った。
今なら冗談だって言えば後戻りができる。止めるなら今だ。
「……ベッドどこ?」
だけど、俺の口から出たのはこんな言葉だった。やけに切羽詰まったような声が出た。
「ん、こっち……」
康臣も当然のようにそう言って俺の手を取ると誘導する。部屋の一番奥にベッドはあった、俺はすぐに康臣をベッドに押し倒す。
押し倒してすぐに、俺はもう一度キスをして、右手でシャツを引き上げ素肌を探った。
肌は白くて滑らかで手に吸い付くようにしっとりしている。それはまごうことなく筋肉もちゃんと付いた男の体で。でもしなやかで心地がよくて、もっと触りたいと思った。
そしてもっと奥の秘密の場所まで知りたいと思った。
「なあ、もっと触っていいか……?」
「っあ」
胸の飾りに手が触れると、康臣の口から甘い声が漏れた。そこはもういやらしく立ち上がっていた。
女の子と同じで男もここが感じるんだと驚きながらも、その声がもっと聞きたくて指でそこを重点的に責める。
人差し指と親指でこねるとそこが、さらにぷくりと立ち上がった。
「ん、ああ……っあ」
気持ちいいのかこねるたびにビクリ体を反応させ切なそうな声をあげる、その姿に俺はさらに煽られ興奮が高まる。
首筋にキスを落とす、少しきつく吸い付くと白い肌に跡が残った。さらに服を少し強引に脱がせる。
ついで自分も脱ぎ捨てベッド下に落とす。焦っているのか少し手間取ってしまう。
起き上がり、膝たちになると康臣が腰に足を絡ませるように引き寄せた。
「お、おい」
密着すると康臣の腰のあたりが硬く張り詰めているのがわかった、当然俺のものも硬い。
相手も興奮しているんだとわかってさらに熱が高くなってきた。
そうすると康臣は起き上がりそこに触れる。
「清は、ここもたくましいんだね」
うっとりとした口調でそう言って康臣はそこを指で触れた。そうしてズボンの前たてを外して硬くなったそれを取り出した。
康臣がそんな積極的な行動に出るとは想像していなくて戸惑った。
「お、おい……」
しかし戸惑っている間に、康臣はそれを躊躇なく口に咥える。
「んん……」
「!っう……」
湿っていて柔らかいものに包まれる、しかもそこはさっきまでキスをしていたからか唾液でトロトロになっていて気持ちいい。
ぬるりと康臣の舌が裏筋を撫で、俺のものは完全に勃ち上がる。
「清の……おっきい……」
康臣がうっとりしながらそう言う。その言葉にさらに中心に血が集まるのを感じる。
美味しそうに咥えながら言われて、俺は思わず腰が動いてしまう。
「ぅぐ!……」
一気に奥に突っ込んだから、康臣は少し苦しそうに眉を寄せる。
これ以上は苦しそうだからやめた方がいいと頭の中で思うのだが。思いとは裏腹に、俺は康臣の頭を掴みさらに腰を振っていた。
「ぐ!……んっ……んん……」
康臣の目からは生理的な涙が溢れ、顔も赤くなった。かなり激しく突き入れているのに康臣はそれに応えてくれる。
喉奥が締まって気持ちいい、すぐに限界がきた。
「っ、やば……出る……!」
さすがに口には出せないと思って離れようとしたが、康臣は腰を掴んで引き寄せ、ジュッと音が出るほど吸いついた。
「っく……」
俺は気持ちよすぎて、そのまま康臣の口に出してしまう。
「だ、大丈夫か?……」
そう言いつつも。何度かに分けて全て吐き出す。
浅く息をしながら離れ、慌てて謝った。
「ご、ごめん……」
康臣は吐き出すのかと思ったが。うっとりとした顔をしてそれを飲み込んでしまった。
「……んん」
康臣はそう言うと、ペロリと舌を出して少し溢れた白濁を舐めとる。
目尻は赤くなり頬は火照っていて目を奪われる。
それに加えて赤い舌が唇をなぞりそれがなんともいやらしくて。さっき出したところなのに俺の中心はあっという間に元に戻る。
俺は我慢出来なくなって、康臣をもう一度ベッドに押し倒す。
「なあ、入れていいか?」
そう言いながら、康臣のズボンを脱がせる。
男とは一度も経験はない、それでもどこ入れるかはなんとなく知っていた。
康臣のそこはもうすでに固く勃ちあがり、先走りを零していた。
同性のものなのに見ても嫌悪感も感じなかった。そんな趣味なんてなかったはずなのにゴクリと喉が鳴る。
「ん、ちょっと待って」
康臣はそう言うとベッド下にある引き出しを開け、ローションを取り出した。
それを慣れた感じで指に垂らし絡ませると、後ろの窄まりに指を這わせる。
テラテラ光っていてやけに卑猥だ。
康臣の指がそのままくぷりと後孔に飲み込まれる。グチュグチュと音をさせながら広げるように指を動かす。
その動きが自慰をするようで、目が離せなくなった。
「い、痛くないのか?」
「ん、大丈夫……気持ちいよ……」
康臣はうっとりとそう言うと、またローションを指に絡ませ、そこに持っていき塗りつけるように動かす。
指をぐるりと回すと、少し眉を寄せてると唇を噛んで何かを堪えるような表情になる。
その姿がやたら色っぽくてAVでも見ているようだった。
さっき出したばかりなのに、中心は完全に復活していた。
クチュクチュと音をさせながら、指がそこを出入りする。たまに指をばらばらに動かしてそこをほぐす、しばらくそうしていると指は三本に増えていた。
「……なあ、もういいか?」
我慢出来ずにそう聞いた、俺のペニスは完全に復活して硬く反り返っていた。
「……ん、いいよ来て」
康臣はそう言って少し微笑むと。指を引き抜き、誘うように足を開いた。
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