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第4話「勢いは止められない」
「……っく」
「あっ」
俺は康臣の腰に手をやり引き寄せると、濡れたそこに固くなったそれをあてがう。
先の方は少し抵抗があったが、さらに押し込むと進みがよくなる。
中は熱くて、ローションのおかげかヌルヌルだ。
入れた途端に締め付ける。
「……っ……やば……」
腰がくだけそうなぐらい気持ちいい。
歯を食いしばりイキそうなのに耐えながら、ゆっくりと腰を進める。
「っあ……ああ……」
康臣は背中を反らせ喘ぐ。痛いのかと思ったが、その声は甘い。
俺はそのまま、誘われるように立ち上がった乳首に舌を這わす。
「ああ!」
「うわ、中締まった……」
立ち上がったそこに歯を立てた途端、中がうねった。
「あん……だって……そこ、だめ……」
眉を下げ切なそうに言った声に、またゾクゾクとしたものが駆け上がる。もう一度歯を食いしばり腰を進ませ根元まで押し込む。
暖かいそれに包まれて気持ちいい、我慢できなくてすぐに抽挿を始める。
だめと言われても、止まるわけない。
限界まで腰を引き突き入れる。ガツガツとグラインドさせ、さらに唾液で濡れた乳首に歯を立てる。
「っあ……清?……ああんっ……だめ……あんまりしたら……っ!」
康臣はそう言いながら悶え、俺の頭を抱え引き寄せる。
だめというくせにもっとしろとでもいうように、胸を反らせ押し付けてくるからエロすぎるその痴態に頭が沸騰したように興奮する。さらに腰を叩き入れる。
「っあ……あっ!……ああん!!……」
欲望のままに腰を動かすと、康臣はその度に中を締め付け甘い声を漏らす。
俺はそれに煽られるように動きを早める。最初の戸惑いはもうとっくにどこかに消えてしまった。
ただひたすら快楽を追う。
限界はすぐにくる。康臣の体はどこも気持ちいい。
「っ清……ああ!……だめ……」
音がするほど腰を突き入れると、中が一段ときつく締め付けた。すると、康臣は体を震わせ勃ちあがった中心から白濁を吐き出だす。
「っあ……っああ」
「っく!」
顔を真っ赤にさせ涙をポロポロ零しながらイク姿を見ながら、釣られるように俺も康臣の中で果てた。中で出すとその度に中が絞り取るように動く。
何度か動かし、全て注ぎ込む。吐き出した後も、気持ちよすぎて中に入れたまま康臣の上に倒れこむように覆いかぶさった。
康臣はぐったりとして息が荒い。俺も早鐘のように心臓が高鳴り息が荒くなっている。
しかも、この興奮はそう簡単に収まりそうにない。
「ん……すご……いっぱい出た……」
康臣がうっとりしたような声で言った。
その言葉にまた体に熱が灯る。
康臣の表情はとろりととろけたようになっていて、少し開いた唇は濡れている。
体の中心に血が集まるのを感じ、誘われるようにキスをすると康臣は「ん……」と鼻から抜けたような声で吐息をもらす。
少し動くと吐き出したものでグチュグチュと音がする。気持ちよくて勝手に腰が動く。
「ん……っん……」
康臣のものも、俺の腹でこすれて少し固くなっている。感じるのか中も連動するように動くいている。
そのまま赤く膨れた乳首もさぐる、酔っているはずなのにどこが感じるのはもう覚えてしまった。
そこは女の子のみたいに膨らみはないのに、乳首はやたらいやらしい色をしていて。夢中になってしゃぶる。
「っあ……ん……だめ……そこばっかりいじったら……また……」
康臣は困ったように言うが、やはり気持ちいいのか中がぎゅっと締まった。康臣の中に埋め込んでいたものがまた大きくなるのを感じる。
「っあーやばい。ごめん……もっかいね」
「っあ……やだ……また大きくなった……すごい……」
自分でもその速さに驚くが、気持ちよすぎてもう止まりそうにもない。
康臣の足を抱え直し肩に置く、そうして腰を掴むと音が出るほど自分の腰を打ち付け始める。
「っあ……っあ……っあ……」
接合部分からは中に出したものが溢れて、腹には康臣の出したものでぐちゃぐちゃに汚れている。卑猥で目が離せない。
「あ!……だ……だめ……そこ……っあ!……やぁ!!……」
ある部分をこすると康臣の体が一段と跳ねた。なんだろうと思って、そこをさらにグリグリ擦り付けると、萎えていた康臣のペニスも勃ちあがる。
ここが康臣の気持ちいいところだと気がつく。
「……っ……すっげ……」
「っああ!や、やだ……あんまり、見ないで……」
康臣は恥ずかしそうにそこを隠そうとする。
いやだも何も、ここまでしておいて今更恥ずかしがるなんて。わざとやっているのかと思うぐらい煽られた。
涙を目に溜めてそう言われて、じゃあやめようなんてとてもじゃないけど思えなかった。
「……ここ、いいんだ?」
俺は、むしろ隠そうとしたその手を束ねてベッドに縫い付け。腰をつかむとガツガツとそこを責める。
「ああ!……やぁ……ホント……いっちゃう……だめ!……ひっ……っあ!……あああ!」
びくんと康臣の体が震えてまた腹を汚した。中も連動するように締め付けてきて最高に気持ちがいい。間を置かずに俺も限界を迎える。
「ック……」
全て吐き出すと流石に俺も疲れて横に倒れこむ。
息が上がって体が痺れたようになる、横にいる康臣と目が合った。
今まで見たことがないくらいとろけ切った表情に。自分がこんな風にしたんだと思うと、変に感動した。
そのまま、引き寄せて無言で唇を重ねる。夢中になってさっきのセックスみたいに舌を絡ませた。康臣も腕を首に絡ませるからキスはさらに深く濃厚になった。
それでも飽き足りなくて、康臣の後ろの孔にも指をを忍ばせる。中で出したものがトロリと溢れた。
「んん、んっあ!……清……そこ……触ったら……ん……だ、だめ……」
「でもすごいうねってる……俺のでヌルヌルだ……」
嫌とは言っているが短い時間だがこの反応が本当に嫌がっていないことはわかった。音がするほどかき回し口の中も蹂躙する。
むしろ体を擦り付けてきて舌を絡めてくるからその矛盾した行動に、治りかけていた中心にまた血が集まった。
「っあ……清……また……」
とろりとした表情のまま康臣がそう言う。康臣もその変化に気がついたようだ。
自分でも驚く、最近忙しくて自慰もしていなかったとはいえ、こんなに元気になるとは自分でも驚いている。
「あ〜ごめん、これで最後にするから……」
「え?……っあ……うそ……」
俺はそのまま、また康臣の上に覆いかぶさると、トロトロに蕩けたそこにまた埋め込む。
「康臣……」
「!っあ……」
感じすぎて辛いのか康臣の目からポロポロ涙が溢れる、出したものが溢れて中が締め付けられ思わず息を止める。ゾクゾクとしたものが腰からせり上がってきて、また硬くなったのを感じる。男とするのがこんなに気持ちがいいとは思わなかった。
すぐに腰を動かし出す。
「いくぞ……」
「清……」
流石に三度目にもなると中々イクのも遅くなる。俺は何度も腰を叩きつけ白い肌にキスマークを残す。
感じるとこをを攻めると、喘ぎ声だけしか発しなくなった康臣は俺にしがみつきながら。
そのまま気を失うように眠ってしまった。
俺もそのまま充足感と共に、中に吐き出すと酔っていて疲れたせいもあるのか、いつの間にか眠っていた。
——朝、目が覚めると見覚えのない天井が目に入った。
俺は、ぼんやりとした頭のまま起き上がる。すぐに隣に誰か寝てるのに気がついた。
「……」
隣で眠る裸の康臣を見て、昨日何があったのかを徐々に思い出した。
酔っていたけど記憶ははっきりしている。俺は男とセックスしてしまった。
「えーっと……」
俺は頭を抱える。
「……ん、清?おはよう……」
混乱した頭を整理しようとしているうちに康臣も目を醒ました。
むくりと起き上がると眠そうに目を擦る。
気まずい……いくら酔っていたからとはいえ、がっつりセックスをしてしまったのだ。
友達だと思っていたのに、男同士で。なにか言い訳をした方がいいのかもしれないが、こちらも起き抜けだし、二日酔いなのか頭が回らない。固まっていると。
「……朝ごはん、どうする?」
康臣がぼんやりした表情のまま眠そうに、そう言った。
「……え?朝ごはん?」
状況に頭が追いつかない俺は、バカみたいにそう聞き返した。
康臣はそんな俺に構わず立ち上がり、散らかった服や下着を適当に着ると。他の服も集め、のそのそとベッドを出る。
そして「シャワー浴びてくる……」とまるで何もなかったかのようにバスルームに行ってしまった。
一人になった俺はあっけにとられる。もしかして康臣は昨日のことは忘れてしまったのだろうか?と混乱したことを思う。いや、しかし二人とも裸だし所々事後の跡は残っている。困惑してると、しばらくして康臣が出てきた。
「清もシャワー浴びれば?」
「え、ああ……」
普通に言われて、俺は何も聞けずそう答える。
しょうがなく、俺もシャワーを浴びることにした。
シャワーを浴びると、多少頭はスッキリしてきたものの困惑は拭えない。
その上頭がはっきりしてきたせいで。昨日の事を克明に思い出してきて、段々いたたまれない気持ちになる。
「シャワー、ありがとう……」
恐る恐るシャワー室から出ると、康臣はキッチンで何かしていた。
「なあ、朝ごはん。俺はいつもご飯物なんだけどそれでもいいか?」
「お、おお。ありがと……」
そう言うと「インスタントだけど味噌汁も」と言って小さなテーブルにご飯や味噌汁、目玉焼きや漬物が並んだ。
「うわ、すごいな毎朝こんなにしっかり作ってるのか?」
「ん、まあ。かなり手抜きだけどな。漬物なんて買ってきたのをそのまま出しただけだし……」
「いや、でもえらいよ、俺なんてコンビニで買ったもの適当に食べるか、何も食べないとかもざらだし。すげーよ」
俺も一人暮らしをしているが、まともに料理なんてしたことがない。
朝ごはんもコンビニパンやインスタントを食べるのにお湯を沸かすのがせいぜいだ。
「うまそう、いただきます」
困惑していたが、美味しそうな朝ごはんに浮かれて。腹の減っていた俺は食べ始める。
康臣もなんだか普通だし、いまさら昨日セックスしたよな、とか聞きづらくなった。
ご飯は美味しかった、手抜きと言っていたが他人が作った温かい食事というだけでも、美味しいと感じた。
「あれ?それ、どうしたんだ?」
バクバク食べていると康臣の首の根元、鎖骨のあたりにポツンと赤くなっているところに気がついた。虫刺されのようにも見える。
何気なくそう聞くと、康臣は困惑したようにキョロキョロする。
「え?なに?」
「ほら、そこ首元……」
そう言うと、康臣の顔がみるみる赤くなった。
「あ……これは。多分……昨日、お前が……」
康臣は手でそこを隠すと、恥ずかしそうに俯くともごもごそう言った。
「あ……」
俺もそう言われてそれが自分が付けたキスマークだと言うことに気がつく。
自分で付けておいて、何を聞いているんだと思わず顔が真っ赤になる。
妙な沈黙が流れた。
何より、昨日のことは康臣も覚えていたんだということがわかって、急に緊張してくる。
昨日の事が頭を巡る。唇の感触や艶っぽい喘ぎ声。
それが現実だったことがわかってしまって、改めて気まずくなってきた。
康臣は着ていたTシャツを引っぱって、今更どうにもならないのに一生懸命その跡を隠している。
その姿がやけに可愛く感じて目が離せなくなる。
シャツを引っ張ったことによって、腰がチラリと見えてそれがまた色っぽい。
ゴクリと喉が鳴って、下半身にジワリと熱が集まるのを感じる。
「……康臣」
「あ、そう言えば時間大丈夫か?」
俺がそう言おうとした時、康臣が何かに気がついたように言った。
そう言われて一瞬なんのことかわからなかったが、時計を見てすぐに今日は仕事がある事を思い出す。
一回家に帰らなくてはならない事を思うと、あまり時間はない。
時計の針は急がないとギリギリの時間を指していた。
「……うわ、やべ!もう出ないと」
慌てて残りのご飯と味噌汁をかきこむ。康臣が「片付けはいいから」言ってくれて俺は「悪い!」と言って慌ただしく荷物を持って玄関に向かった。
「じゃあ」
「うん、気をつけて」
そんな普通の挨拶を交わし、俺は急いで部屋を出た。
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