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第6話「清の気持ち」

「じゃあ、今日も飲みに行かないか?」 そう言うと康臣は目を見開き、少し驚いた顔をする。 「え?……い、いいけど……」 「じゃあ、終わったら連絡くれ。あ、そうだ携帯番号とアドレス教えて」 それを聞いてホッとした俺は矢継ぎ早に言う。 「あ……ああ」 康臣は少し戸惑い気味だったけど、そう言って携帯のアドレスと番号を教えてくれた。 教えてもらうと時間と場所を決めて自分の車に戻った。 やっと会えて嬉しかったのもあり、少しウキウキしながら集荷場に向かい仕事を終わらせる。ロッカールームで着替えて後は帰るだけだ。 「お疲れさまでした〜!」 「おう、お疲れさん。なんか元気だな、いいことでもあったのか?」 今日の報告を終えて退出しようとしたら、先輩にそう声をかけられた。 「え?そ、そうですか?」 「うん、なんかニヤニヤしてる」 「そ、そんな顔してました?」 「なんだよ、もしかして女の子とデートか?いいな」 「いやいや、そんなんじゃないですよ。友達です友達」 顔をさすりながら、そんなにニヤニヤしてたかな思いつつそのまま会社を出た。 通勤用に乗っているバイクに乗って一旦家に戻る。 帰りの道すがら今日の朝からのことを思い出す。 遅刻しそうになって慌てて康臣の部屋から出た。なんとか会社には遅刻せずにすんだ。 しかし、かなりギリギリで昨日のことは深く考える暇もなくバタバタと仕事を始める羽目になった。 ある程度落ち着いて冷静になって、思い出すのは昨日のセックスが気持ちよかったってことだった。 昨日の事は自分にとって驚きの展開だ。それはそうだ女の子とセックスしたことはあるが男は人生で初めてだったのだから。 あんな事を自分がするなんて想像もしたことなかった。 「でも……本当に気持ちよかったなー」 酔いが冷めて、冷静になっても不快感とか嫌悪感が湧いてこなかった、思い出しても気持ち良かったことしか記憶にない。 服の下にある白い肌、誘うように潤んだ瞳。それから甘く蕩けるような喘ぎ声。 それに朝、キスマークを隠そうとシャツを引っ張って赤くなった康臣の姿が頭から離れない。耳まで真っ赤になった康臣はやたら可愛かった。 自分でも呆れるが、一日中頭の中は康臣の事でいっぱいだった。 だから今日も康臣と飲みに行けないか聞いてみようと思った。朝はゆっくり喋ることもできなかったし。 そう思って仕事中康臣を探したのだが、なぜか今日に限って会えなかった。 何度か康臣が置いたと思わしき不在票を見かけたが、本人はおろかシロネコのトラックすら見ない。 そうなって初めて、俺たちはプライベートの連絡先も知らなかったことに気が付いた。 自分の迂闊さにイライラしてしまう。 その日はそんなことばかり考えていて、仕事をしていてもあまり集中出来なかった。 仕事も佳境にはいったのに、康臣に会えなくて焦ってきたころ。 やっとシロネコのトラックを見つけた。康臣だ。 慌ててトラックを降りて駆け寄った。 顔を見て今朝会ったばかりなのに会えたことが嬉しくて、やたらと心臓がドキドキした。 家に帰り着くと、簡単にシャワーを浴びて着替え、すぐに携帯で約束していた場所に向かう。 待ち合わせ場所に現れた康臣は、また少し戸惑ったような顔をしていた。 服装は昨日とは変わって少しカジュアルになっている。 改めて見ても康臣はどう見ても男だ。 それなのに、今まで何にも感じなかったことが不思議なくらい腰のラインや首筋が気になる。昨日し抱きしめた時の感触を事を思い出すだけで手が伸びそうになる。 朝、康臣が必死に隠していたキスマークは服に隠れて見えない。 それを残念に思いながら、そのまま飲み屋に向かった。 飲み屋は昨日と同じ場所だ。適当に席に付き料理を注文する。 「あ、あのさ……」 「うん?なに?」 食事を頼んんだところで、康臣が遠慮がちにそう言った。 しかし返事したが康臣は言葉に詰まったようになり目を泳がせると「い、いや。何でもない……」と言葉を濁してしまう。 どうしたんだろうな思ったものの丁度その時、注文していた料理が来て、疑問はそのまま霧散した。 体力を使う仕事で、今日は忙しかったのもあって昼から何も食べていなかったからお腹が空いていた。 早速食べ始める。 しかし、康臣はいつになく静かでいまいち箸がすすんでいない「食べないの?」と言うと「い、いや食べるよ」と食べ始めた。 他愛のない雑談しながら食事を詰め込む、しばらくしてお酒も入ってくると康臣の硬い表情も少しづつ柔らかくなった。 心なしか、頬がほんのりと赤くなっている。思わず昨日の事をまた思い出して思わず喉が鳴った。 お腹が一杯になって食欲が満たされたからか、今度は頭の中が性欲で一杯になってきた。 自分の単純さに呆れる。 なぜか今日は康臣と目が合わない、たまに合っても恥ずかしそうに逸らされる。 やっぱり変だなと思うのだが、俺はその度に首筋のことや服の下のことが頭を渦巻いて、何もかもどうでもよくなってしまう。 「料理、どうする?追加する?」 「あ、ああ。俺はもういいよ。お腹いっぱい、清はもういいの?」 ある程度食べた後、そう言ったら康臣はそう答えた。 「ああ、俺もお腹一杯」 「じゃあ、なにか飲む?」 テーブルに並んだお皿は空っぽだ、康臣がそう言ってメニューを開いた。 「いや、出よう」 俺はそう答えて立ち上がる、康臣は驚いた顔で「え?も、もう?」と言うが俺は構わずレジで精算を済ませる。 「今日は俺が誘ったし、奢るよ」 「え、い、いや」 そう言って外に出る、時間を見ると店に入ってまだ1時間も経ってなかった。 そうなって次はどうしようかと思案する。また会いたいとか喋りたいとか、後は下心しかなかったから深く考えてなかった。 「清?あ、あの。きょ、今日はどうして……」 「うん?なんか言った?」 考えごとをしていたら康臣がそう言った。しかし、丁度バイクの音で聞こえなくてそう言う。 「い、いや……」 しかし康臣はまた口ごもり俯いてしまった。 なんだろうと思ったけど、すぐに俺はそれどころじゃなくなった。 風が吹いて康臣の匂いが漂ってきたのだ、昨日ベッドで散々嗅いだ匂いだ。 おそらく康臣もシャワーを浴びてきたんだろう、石鹸の匂いと康臣の匂いがする。 俺は思わず。 「なあ、今日も家に行っていい?」 気が付いたらそう言っていた。また康臣は驚いて目を丸くさせる。 「え?う、うんいいけど……」 戸惑いながらも康臣が了承したので、俺はすぐに康臣の部屋に向かう。昨日は酔っていたのに道順は覚えていた。 部屋に入ると、俺はすぐに康臣を壁に押し付けてキスをした。 「あ、あのさ……っん、っえ?き清?」 康臣はは驚いた顔をする。康臣の唇は柔らかくて少しだけお酒の味がした。 こじ開けるように舌を入れ絡めると、今度はやたら甘く感じる。 今日は少ししか飲んでないのに、それだけで酩酊したようにクラクラしてきた。 「ん……ぅん。ちょ、ちょっとっ、まって……」 「うん?」 康臣が困った顔で、腕を突っぱねそう言うので少し離れる。自分でも強引なのは自覚していた。 女の子だったらこんなことはしてない、したらほとんど犯罪だし。 でも康臣は男だし、しかも昨日一線を超えたのだだからいいかなと思った。 なによりまたしたくて我慢が出来なかった。 でも昨日はお互い酔っていてのことだ。 今日は嫌かもしれないし、嫌なら無理やりはしたくない。 「だめ?」 「だ、だめ……じゃない……けど……その……」 様子を伺うために俺が離れると、康臣は少し狼狽える。 しかも目は潤んでいて無意識なのか、俺のTシャツの裾を引き止めるように掴んできた。 思わず喉がなる、俺はそれを見て有無を言わさずキスを再開させる。 「き、清……っあ」 顔を傾けさらに深くキスをした。康臣はまだ少し戸惑っているように見えるが、触れる体は俺を拒否はしてない。 脚の間に俺の脚を入れ込み中心を擦り上げると、康臣の体は震え素直に反応する。 嬉しくなって何度もキスを繰り返し、服の上から触れる。 指で探るとだんだん胸の飾りが、固く反応しているのがわかった。 しつこく弄っていると、康臣の目はトロリと緩んで、脚で擦りあげたところも固くなってきた。 男だと、こういうとこがわかりやすくていいなと思いつつ、俺の中心ももうとっくに臨戦体勢で我慢の限界だった。 「ベッドに行こう」 「え?あ……う、うん」 掠れた声でそう言うと康臣は頷く。玄関先だと狭くてやりにくい、焦る気持ちを抑えて、康臣の腕を引きベッドに向かう。 ベッドの位置は昨日したからわかっている。 「き、清……あの……」 康臣は少し歩きにくそうに歩く、引っ張られると少しよろけた。俺は抱えるように抱きしめ、ベッドに押し倒す。 せっかちにズボンを脱がせベッドの引き出しを勝手に開けて、昨日康臣が出したローションを取り出した。 「借りるな」 そう言って、ローションを指に垂らすと康臣の秘所に垂らす、ついでにその周辺にもローションで濡らしそのまま指を入れて解していく。 昨日もしたからか、そこはあっという間に指を三本飲み込んだ。 「……っあ!ああっ……」 指をぐるりと搔きまわすと。 ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響き、昨日と同様のいやらしい光景が、目の前に繰り広げられる。 康臣は抵抗もせずに、指を噛んで体を震わせ甘い声をこぼす。それを見るだけでイキそうになる。 「もういいよな?」 「ふ……はぁ……え、え?」 我慢ももう限界で、そう言って俺は自分のズボンをくつろげ自身を取り出した。 そうして康臣の後孔に添える。クチクチと擦り付けると先走りでさらにそこが濡れた。 ヒクリとそこが誘うように動く。俺はペロリと唇を舐めながら腰をすすめる。 「……っあ、ちょ、ちょっとま、待って!」 「ごめん、待てない……」 気持ちいいものが目の前にあるのに、止めるなんて無理だった。 誘われるように、腰を進めて一気に入れる。康臣は必死に止めるような仕草をしたが俺はそれは無視した。 「ああ!」 昨日と同じく亀頭の部分が少し抵抗感があったが、そこを通り過ぎると一気に進む、柔らかいが吸い付くように締め付ける。一息で突き入れ腰を叩きつけると、またさらに中が動いた。 「あー、やべ。やっぱすっげぇ気持ちいい……」 昨日は酔っていたし感覚も少し鈍かったのか、今回は特に気持ちがいい気がする。 中は熱くて、襞の一つ一つが絡みつくみたいに吸い付いた。 すぐにでも出てしまいそうだった、グッと堪えて根元まで入れ込む。 「っ全部入った……」 「っ清……清……熱……い……」 康臣は眉を八の字にして涙をこぼして震えながらそう言った。必死に声を抑えるように手で押さえて堪えている姿は、誘っているようにしか見えなかった。 「っ動くぞ……」 「ぅあ!……ま、まって……っあ」 俺はベッドに手をつき、さらに康臣の足を開かせ勢いよく腰を突き始めた。

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