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第12話「お詫び」
プシュっと酎ハイの缶を開け、俺はグビッと飲む。
シャワーを浴びた後、コンビニで買ってきた缶とつまみをテーブルに広げた。
清は今、シャワーを浴びている。
炭酸が喉を通り爽快感に満たされる、さっぱりしたのも相まって一息つく。しばらくするとバスルームから清が出てきた。
「出たよ。お、もう飲んでんの?」
「うん。清も飲めば?」
「ありがとう。あれ?康臣髪まだ濡れてるよ、拭いてあげよう」
清はそう言って、俺の後ろに座りバスタオルでワシワシ拭いていく。
「ありがと。どうしたんだよ?やけに甲斐甲斐しいな」
「いや、昨日のお詫び?……みたいな」
清は頭を拭きつつそう言った。
俺は苦笑しながらもそれに身を委ねる。清の手は、大きいから相変わらずちょっと雑だけど、頭を撫でられてるみたいで気持ちがいい。店でも飲んでいたし、頭が少しふわふわして心地がいい。
「あ、そうだ。借りてきたのを観よう」
清がそう言って、借りてきたDVDを取り出しセットし始める。
今日はしないからと約束したから、じゃあのたまにはのんびり映画でも観ようと清が借りてきたものだ。
「そういえば、清は何を借りたんだ?」
そう聞くと清がタイトルを見せてくれる。
ちなみにDVDは二人でそれぞれ一本ずつ選んで借りた。
清の選んだ映画は観たことはない映画だった。確かちょっと昔に放映していたアクション物の映画だ。話題にもなっていた。
「『トランス・ポート』俺、これ好きでさ。久し振りに観たくなって。観たことないなら丁度よかった」
清はそう言うと映画を再生させる。清はそのまままた俺の後ろに戻って、俺を足の間に挟み後ろから抱きしめるようにして座った。
狭い部屋とはいえ、密着しすぎだ。ドキドキしてきた。
映画は何でも裏社会の運ぶ運び屋の話だった、いつも通りの仕事を請け負ったと思ったら、事件に巻き込まれ戦うことにってしまうといったストーリー。派手なアクションと美女が出てきて主人公はその危機を持ち前の能力で乗り越えるといった、よくあるアクション映画だ。
でも主人公が仕事に忠実で、こだわりのあるクールなアクションが見ていて面白い。シリーズ物にもなっていて納得の面白さだった。
「これ、テレビでやってるのを観て好きになったんだ。シリーズも全部観た」
「へえ、そんなに好きだったのか」
「DVDも持ってるんだけど、康臣と一緒に観たくてさ」
そう言って清は笑う。俺はその無邪気な笑顔に思わずドキドキしてしまう。
一緒に観たいと言ってくれたことに嬉しくて、でも素直に言えなくて誤魔化すように「そ、そうなんだ……」と前を向き直した。
「実は、今の仕事をしようと思ったのも、この映画の影響もあったんだ」
懐かしそうに清は続けて言った。
「へえ」
どこまでも無邪気な動機に可愛いくて思わず頬が緩む。
「あ、単純な理由だからって、笑っただろ」
「え?そ、そんなことないよ。うわ、ちょ、くすぐるなよ」
後ろにいる清に抱き込まれるようにじゃれられ、身をよじる。
「そういえば康臣は?どう言う理由?」
「……」
そう言われて思わず黙ってしまった。
「あれ?なんで黙るの?」
「い、いや……っく、また。……ふふ……くすぐったいって」
「ほら、言えよー」
「わ、わかった。わかったから。やめて……」
身を捩りながらそう言うと、なんとかやめてくれた。
「笑うなよ……」
「なに?」
「『魔女と宅急便』……」
小さい声でそう言って、顔が赤くなっていくのがわかる。
「え?それってアニメの?」
清は意外そうな顔をして言った。そうなのだ、俺もあんまり人のことを笑えない。
「そ……そうだよ……」
子供の頃この映画が大好きで何度も観ていた。
それだけが理由という訳ではないがこの仕事をしてるのはこれも大きい。
主人公が苦戦しながらも成長し、困難に立ち向かいながら街の人のために活躍するストーリーは何度見ても飽きなかった。
「なにそれ……可愛い!!」
「うわ、ちょ。く、苦しい。やめろ」
抱き込まれてグリグリされる。恥ずかしさもあって逃げようとしたが、清は力が強いから動けない。それなのに清はクスクス笑いながらなおも言う。
「もしかして、それで映画に出てくる猫と同じ色のを飼ってたりした?」
「っ……」
図星を突かれて真っ赤になる。実は映画に出てくるのと同じ黒猫を飼って、名前も同じ名前をつけてたりしていた。
無邪気な子供の頃の話だが、恥ずかしすぎてとても言えない。
黙っていると「やっぱり、飼ってたんだ」と嬉しそうに、また頭をグリグリして寄せてくる。
もう疲れて抵抗するのもバカらしくなってきた。
「う、うるさいなーいいだろ。ぁ……ん……おい。清、どこ触ってんだよ」
そうして油断しているうちに、前に回されていた手がいつのまにか胸の方に移動し、怪しげな動きをし始めていた。
指が敏感なところを探り、こねるような動きをするから、変な声が出た。
清は何度もしているおかげか、慣れて俺の感じるとこをすぐに見つける。
俺の体も条件反射のように快楽を拾ってしまうから始末に負えない。
「いや、康臣って、なんか触りたくなるんだよな。飽きないし、なんでだろ?」
「し、知らないよ……っん……や、やめろよ」
さらに抱き込まれ、髪の毛に顔を埋められて匂いを嗅がれる。
恥ずかしさで、一気に体の体温が高くなった。
もがくが、やっぱり力が強いし酔っているのもあって、動けずさらに密着する。
いつのまにか清の体も熱い。
「それに、康臣ってなんかいい匂いするな。同じシャンプー使ってるのに、なんか違う気がする……」
「っあ……おい、今日は何にもしないって……ん……や、約束だろ」
精一杯の抵抗のつもりで言ったが、気持ちよくて体の力も入らない。
髪の毛を拭くときは雑なのに、そこを探る指は器用であっという間に何もできなくなる。
とうとう手は太ももまで降りて、内側の柔らかいところを撫で始めた。
「いや、触ってるだけだから……」
「そ、そんな……んぁ……屁理屈……や、やめ……」
清の声は切羽詰まったように掠れていてそれだけでは終わりそうにない、探る手も止まらない。
チュッチュッと首筋にキスを落とされ、それだけでジワリ快楽を感じる。
「康臣、ここ感じやすいよね……本当に触るだけ。何もしないから、ちょっとだけ……」
「また……そんなこと言って。昨日もすぐ終わるっていって……っんあ、ば、ばか。ほ、本当にお、怒るぞ」
「でもトイレでした時、いつもより感じてたよね……気持ちよかったでしょ?」
「っ……!!」
それを耳元で言われて、また顔が真っ赤になる。
いつもより感じていたのは本当だった。
別にマゾという訳ではないのだが、実は少し強引な感じでされたりちょっと苦しいくらいが好きだったりするのだ。
恥ずかしいし引かれたら嫌だから、絶対に言えないけど……だから、昨日は本当にやばかった。もう少し続けていたら絶対変なことを口走っていた。
この時ユニホーム姿なのもヤバかったのだ。
話したこともなく見ているだけの時、付き合えたらこんなことしたいなんて、勝手に色々妄想していた。その時はユニホーム姿しか知らなくて、その姿で色々想像していたのだ。
だから強引にトイレに引き込まれたとき、あの姿で迫られたものだから余計に拒むなんてできなかった。
快楽に流された自分にも腹が立つ。だから、あの後あんなに怒ってしまったのだ。
「勃ってきた……康臣、気持ちいいの?」
「清……ほんと……だめ……」
昨日のことを思い出してしまったこともあって、体はもうグズグズに蕩けていた。
見ただけでそこの形が変わっているのがわかる。恥ずかしくて必死に隠そうと脚を閉じたが、強引に手を差し込まれ、揉みこまれる。
「っあ……あん……」
「康臣……本当可愛い……」
感極まったように清がそう言った。
そうして、とうとうその手が下着の中まで侵入してきた、堪え性のない体はさらに反応して、硬く勃ち上がる。
「清……清……だめ……っあ。うわ!」
力が抜けて寄りかかるだけだっ体がくるりと回され、不意に床に押し倒された。
そして、そのまま組み敷かれてしまった。
清は柔道をやっていたからか、こんな風に押さえ込まれると全く動けなくなる。どんなに動いても逃げられないし痛くもないから毎回不思議に思う。そんな事を考えているうちにいつのまにか下着も脱がされていた。
「や……清、ダメだって……今日はしないって……約束……」
「いや、しないよ。でも悪いことしたとは思ってるから、お詫び……」
清はそう言ったかと思うと、勃ち上がっていた俺のそれを咥えてしまった。
「!!お、おい!そんな事!……っん。だ、大丈夫なのか?」
俺は慌てる、俺は何度かフェラをしたことがあったが逆はなかった。
清は元々ノーマルだ、フェラなんてしたことがないだろう。
だから俺もさせることはなかった。
男の象徴的なものをわざわざ意識させて、引かれても嫌だった。そもそもこれはそんなに一般的なプレイじゃない。
「……ん。ちょっと抵抗感あったけど……結構大丈夫なもんだな……気持ちいいか?」
喋ると息がかかってそこはすぐに反応しトロトロと先走りをこぼす、そうじゃなくても清がそこを咥えているという事実だけでイキそうなのに。
「っあ……だめ……」
「あ、また大きくなった……」
「う、嘘……んあ……や、やぁ……」
清は少し顔をしかめたがそう言うとまた顔を埋めた。絶対にないと思っていた光景に、頭がクラクラしてくる。
「っひ……う……っん、清……ダメ……」
舌がざらりと敏感なところを撫でて、体がビクビクと震える。
清は喉奥まで飲み込むと下から丁寧に舌を這わせた。初めてのはずなのに上手くて戸惑う。
「……は、初めてじゃないのか?」
「ん?初めてだよ。でも康臣がしてくれたの覚えてたから、こんな感じかなって。上手くできてる?」
上目遣いでそう聞かれて言葉に詰まる。自分でしたことがこんな事で返って来るとは思わなかった。
気持ちがよくて抵抗なんてできない、思わず目を閉じたがジュッと水音がやけに響いて、頭が沸騰したようになる。
ゴツゴツした指できつく扱かれて射精感があっという間にたかまった、いつもはもっと保つのに早くも限界が近くなってくる。
「や……清。も、もう出る……から……」
限界が近くなってきたから、引き離そうとしたが力が入らず結局清の頭を撫でるだけになってしまう。
「ん……大丈夫……」
「ほ……ほんと……んっあ……ダメ……だから……あ……っああ!」
一段と強く吸われ、無意識に足がフローリングを引っ掻いた。
そして、そのまま必死の抵抗も虚しくそのまま清の口の中に出してしまう。体がビクビクと震えて無意識に腰が動く。
「うぐ……んん……うえ、結構へんな感じだな」
「の、飲んだのか……なにやってんだよ……」
出してしまった衝撃に脱力しながらそ言う。
「うん……大丈夫みたいだ。康臣は?気持ちよかった?」
「う……うん」
ストレートにそう聞かれて恥ずかしくなり、目を逸らしながら頷く。
清はそれを見て満足そうな顔をする。
悔しいが気持ちよかったのは事実だ。
でも本当は少し物足りなかった、完全に体に火がついてしまった。出来れば中に清のが欲しい。
無意識に中が動くのを感じる。
しかし、自分で今日はしないって言ってしまった手前、して欲しいなんて言えない。
「……あ」
目線を下げると清の中心も硬くなっって盛り上がっているのが見えた、思わず息を飲む。
「あー……しないよ。大丈夫、大丈夫」
清も俺の目線でそれに気がついたようで、気まずそうに言って離れようとした。
「っあ……待って」
俺は思わずそう言って腕を掴んで引き寄せる。
「え?でも……」
「……い、いいよ。も、もう怒ってないし……そんなんじゃ辛いだろ……」
我慢できなくて、しかたなく許したふりをしてそう言った。
「康臣……」
「つ、次はないからな……」
「ありがとう……康臣は優しいな……本当にあの時はゴメンね」
清は笑顔でそう言った。その無邪気な笑顔に思わずキュンとする。
俺は少し後ろめたさを感じたが、近づいてくる清に体が期待してその事はすぐにどうでもよくなった。
清は自分のズボンをずり下げゴムを付けると、すぐに俺の中に入ってくる。
「っ……ああ……」
入った途端、快楽が電気みたいに背中を走った。待ち望んだそれに俺は背中を逸らし思わず声を上げてしまう。その声には甘ったるいものしかなくて自分でも恥ずかしくなるけど、止められない。
清の雄は硬くて、カリの部分が中の敏感なところを擦った、中がいやらしくうねる。
「康臣……」
清は耳元でそう囁いて、俺の足を肩に抱えるとゆっくり動きだした。
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