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約束の日の放課後。 学校の今は使われていない用具室の扉にもたれてヤツは居た。 そこは今、危ないからということで立ち入り禁止になっている場所だ。 ヤツの姿を見た途端、足が竦んで動けなくなった。 俺は立ち止まり、何回か深呼吸をして心を落ち着かせる。 そして顔を上げると、足が震えている事を気付かれないようにゆっくり歩いて、速水に近付く。 俯いて腕を組んでいた速水は、俺が歩くときの草を踏む音に気付いたのか…顔を上げた。 速水の瞳と俺の瞳が合った。 速水の瞳に何の感情も現れていないのを見て、俺はゾッとした。 引っ返したい衝動を耐えて、速水を睨みながら一歩、一歩進む。 速水は、俺が速水の正面に立つまで黙って腕を組んで何の感情も浮かばない目で、俺を見ていた。

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