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鍵を開けて家の中に入る。 そのままバスルームへ入り、鏡を見た。 思ったよりも、頬は腫れていない。 ただ、唇と鼻の辺りに血が付いて乾いていた。 顔を洗い、シャワーを浴びる為に服を脱ぐ。 熱いお湯が身体の傷に染みたが、気にしない。 お湯に混じり、赤と白の液体が排水口に流れていく。 『…痛い…許して…助けて…痛い…抜いて…』 あの時、俺が泣いて許しを請うても、速水が行為を止めることはなかった。 タオルにボディシャンプーをたっぷりつけて、身体をゴシゴシ擦る。 特に速水に触れられた場所は、何度も何度も擦った。 汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い……。 肌が赤くなっても、構わず擦り続けた。 そして、最も忌まわしい場所。 速水が欲望を吐き出した場所。 俺はボディシャンプーを手に付けて洗った。 何度も、何度も。 泡が傷に染みるのも気にならなかった。 綺麗に洗わないと…。 汚いから…。 穢い。 『明日もここに来い』 去り際に、速水が言った言葉が耳に蘇る。 『来たくなければ来なくてもいいが…その代わり晃を呼ぶんだな』 汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い穢い穢い穢い穢い穢いキタナイキタナイキタナイ…。 ……………………………………………………。 …………………………。 ……………。 …その夜、夢を見た…。 真っ暗闇の中、晃が走っている。 誰かに追われ、逃げているのだ。 俺は晃を助けに行きたいが、足が地面から離れず動けない。 俺の叫びは晃には届かない。 黒い陰が晃を呑み込もうとしている。 「………晃……っ!!」 自分の叫び声で目が覚めた。

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