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2ー7
オレは青山の顔からソレを奪い、マジマジと眺める。
「…ちょっ…返して!!」
青山は慌ててオレの手からソレを取り戻そうと手を伸ばしてきたが、オレはその手を避けて無視。
「やっぱり、これ度が入ってないじゃん」
満足するまで眺めた後、オレの手から取り返そうと必死に手を伸ばしている青山に眼鏡を返す。
「目、別に悪くないんだろ?何故、そんな眼鏡をかけているんだ?」
オレの手から眼鏡を受け取り、黙って顔にかけている青山に重ねて言う。
「その眼鏡、似合わないから、止めろよ」
「……………」
「前髪もそんなに伸ばして…せっかくの可愛い顔が…」
「いいの!!」
らしくなく、オレの言葉を大きな声で遮った青山はハッとした顔で言い訳するように言葉を付け足した。
「俺、自分の顔、好きじゃないから」
「オレは好きだけど…」
自分でも吃驚するくらい、自然に言葉がでていた。
青山も吃驚している。
「…いや、顔だけが好きってわけじゃないけど。いや、顔も好きだけど…」
段々、自分でも何を言っているのか、わからなくなってきた。
喋れば喋るほど、ドツボに入っていくような気が。
…どうしよう…。
「…ありがとう」
オレが焦っていると、はにかんだように青山が笑う。
その声があまりにも小さくて、危うく聞き逃してさまうところだった。
青山の顔を見ると、頬が少し紅くなっている。
つられてオレの顔も紅くなってしまい、オレ達は微妙な距離をとりつつ、黙って寮までの道を歩いた。
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