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「…もしかして…速水に…昔の…オレの、映像、見せられたんじゃないか?」 ギクリとした。 「え、見せ、見せられてない。な、何も、知ら、ない」 ギクシャクと首を左右に振るが…。 ああ、俺の馬鹿。 これじゃ、見ましたって言っているようなもんだろ!! 「いいよ、気を使わなくて」 案の定というか、三城は俺の言葉を信じていない。 「青山が速水とどういう関係かわからないけど、二人が知り合いなら、きっとあの映像は見せられているはずだから。だから、あの映像を見ても、それでも抱きたいって言ってくれたのかと思って、嬉しかったんだ。ごめん、そんな訳、ないのにな」 震えている声を聞いて、傷付けたと思った。 俺が、三城を傷付けたと。 「違っ…そうじゃなくて…」 「ごめん。オレ、本当に好きな人とシた事ってないんだ。だから、オレの事を好きじゃなくてもいいんだ。好きな人が望むんなら、オレは…」 俺の馬鹿。 何をやっているんだ。 三城を守るとか誓ったのに、今、三城を傷付けているのは俺じゃないか。 「待って。本当に、違うんだ」 三城の言葉を遮って止めると、俺はズボンを脱いで内股に付けられた焼き印を見せる。 俺だけ三城の全てを知っているのはフェアじゃない。 そう思った。 「これ、速水に付けられたんだ。俺が逃げないようにって。俺は速水の玩具なんだ。暇潰しの…それがどういう意味か、わかるよね?」 自嘲気味に笑う。 三城は驚いて言葉もないみたいだ。 俺の内股に付けられた焼き印に、視線が釘付けになっている。 「だから、聞いてみたかったんだ。三城に…映像、見せられたよ。それで…あんな事、されて、それでも俺に抱かれる気になるのか…どうしてそう思うことができるのか、聞いてみたかったんだ…ごめん」 「好きだから」 傷口を抉るような俺の質問に、何でもないことのように答える三城。 「好きな人が望むのなら、躊躇うわけないじゃん。そりゃ、好きな人にも好かれてっていうのが理想だけど、そんな事、夢のまた夢だしね」 苦笑いをする三城。 ああ…俺、三城が好きだ。 今頃、気付くなんて。 俺はやっぱり、馬鹿だ。 俺は三城の首筋に両手を回す。 「青山?」 この気持ちは三城に伝えることはできない。 俺は明日、ここを去るから。 でも、思い出くらい、いいだろう? 自分勝手なのはわかっている。 恨んでくれてもいい。 いや、三城は俺の事を忘れて。 今日の事は、夢だと思って忘れてくれたらいい。 俺が覚えているから。 全て、覚えているから。 俺は驚いて俺を見詰める三城の唇に、口付けた

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