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第8話 口は災いのもと※
「もう…やめっ……」
オレはやめてくれと、訴えた。
龍ヶ崎が一方的に快楽を追う行為に、オレは気持ちよさを拾うことが出来ない。
「拒否ってばっか。つまんないの」
と、龍ヶ崎。
「じゃあ……オレの、相手なんかするなっ…あっあぁ!」
足を大きく開けさせられて、尻を浮かされる体勢にされた。
龍ヶ崎の腰の間で両足が宙をかく。
抽挿されるたびに、背中がこすれて、痛い。
「…い、痛い」
しぜんと、視界がかすむ。
「このままじゃあ、いつまでも終わんないよ?」
と、つまんなさそうに言われた。
そんなの、そっちの都合。
おまえが下手くそだから、気持ちよくないんだろーがっ!
「やぁっ!」
体内に龍ヶ崎のモノが入ったまま、体を折り曲げられた。
尻が上をむく。
真上から深く突き入れられる。
オレのお尻の中で、龍ヶ崎の放置されたままの精液がかき混ぜられてあふれてくる。
出てきた白いものが、オレの腰から背中に流れていく。
ぬるくて、気持ち悪い。
まだ、残ってんの?
どんだけ、中だししたんだよ……。
「はぁ…あぁんっ……」
口をつくのは、苦しさからもれる呻き声だ。
けっして、喘いでいるんじゃない。
「気持ちいいの?」
動きを止めて、的外れな問いをした龍ヶ崎を睨んでやる。
「それで煽ってるつもり?」
と、龍ヶ崎。
「はあ? あ…たま……おかしいよ?」
むりやりの行為に、オレは怒ってんの。
気分がのってないのに突っ込まれても、よくなんないから。
「こんなの…ぜんぜん……気持ちよくないし。一人で腰振ってろよ」
と、オレ。
「じゃあ、遠慮なく」
「ひっあぅ!」
と、悲鳴に似た声が出た。
言葉通りに、腰をガンガンとうちつけてきた。
激しく抽挿される。
肩より下は浮き上がっていて、苦しい体勢。
揺らされるたびに、肩や頭がこすられて痛んだ。
早く終われ。
とっととイケよ。
頭の中で『終われ』の呪文を何度も繰り返す。
「龍っ…苦…し……」
「いまさら甘えても遅い」
と、龍ヶ崎に言い捨てられた。
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