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第9話 イかなきゃ解放されない※

龍ヶ崎の冷たい目に、ぶあっと涙腺がゆるんだ。 「やさしくして欲しい?」 龍ヶ崎がオレの髪をすきながら、きいてきた。 うなずきそうになったけど、首を横にふった。 「……まったく、かわいくないね」 と、龍ヶ崎の不機嫌な声。 だから、何度も言ってるじゃないか。 オレは『龍ヶ崎好みのきれいでかわいい子猫ちゃんじゃない』って。 なのに、オレを相手にセックス出来るおまえが、おかしいよ。 「はや…く……イケよっ…」 と、オレ。 「悠人がイったらね」 と、龍ヶ崎に冷たく言われた。 怖い。 名前を呼ばれた。 あんたでも、桜井でもなく。 龍ヶ崎がオレの名前を呼ぶときは、怒っているときだ。 「僕にイって欲しいんだったら、悠人が先にイかなきゃね」 と、龍ヶ崎に棒読みされた。 イかなきゃ終わらない、ということだ。 龍ヶ崎だけが性欲処理することも、よくあるから、一方通行のセックスを我慢すればよかったのに。 最初から、オレがその気になってないのは、一目瞭然で。 それでも、オレをイかそうとする。 「唇、噛んでるよ、悠人」 無意識に噛んでしまった下唇を、なぞられた。 「くっ、うぅんん」 口の中に長い指を入れられた。 舌をこすられた。 「赤くなってる」 と、龍ヶ崎。 親指で、唇を何度もこすられる。 口の中にもう一本指を入れられた。 二本の指で口腔内をいじられ、開けっ放しの口からは、うめき声と唾液がたれる。 これは愛撫なんだと思う。 でも、龍ヶ崎の目は冷たくて。 首を振って拒絶することも出来ない。 オレの体内にある龍ヶ崎のモノは、奥深い所に刺さったままで。 動かないので、圧迫感が半端ない。 自分で動かせる体位じゃないし。 龍ヶ崎のビー玉みたいな感情のない目を見たくなくて、オレは目を閉じた。 オレは萎えかけた自分のモノに、さわった。

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