13 / 69
第13話 1日1食
ただ今、16時過ぎ。
オレは生徒寮の大食堂で夕食中。
空腹を感じて目が覚めてしまったのは、1時間位前。
龍ヶ崎の部屋でシャワーを浴びて、食堂が開くと同時に来たけど、人が次々にやってきて、思ってたより多いのだ。
自分のことはさておき、こんな時間から夕食を食べるのかと思ったら、どちらかというと、のんびりとお茶を楽しんでいる人が多かった。
近くのテーブルからのチラ見視線があるが、害がないので気にはならない。
ていうか、こんなの気にしていたら、ここでは食事なんか出来ない。
他人の干渉が嫌で、自炊したり弁当を買ったりして食堂にこない生徒もいる。
けど、オレは自炊はしないからもっぱら食堂派。
絶賛、料理好きの恋人募集中だ。
でも、親衛隊が出来たから、特定の子と仲良くするのは控えたほうがいいのかな?
龍ヶ崎といると、神経がすり減るから、正直いって癒しが欲しい。
かわいくて素直な子と仲良くしたい。
「誰と仲良くしたいの?」
オレはお刺身盛り合わせ天ぷら定食から、顔をあげた。
「心の声がだだもれだよん~」
と、此花真希 先輩がテーブルの横に立っていた。
この人は見た目は、ふわふわしてて女の子ようにかわいい。
だけど、
こ、の、人、の、せ、い、で、龍ヶ崎に脅されてセフレ関係に至っています。
(※詳しくは第1作目『飴(龍ヶ崎×桜井シリーズ①)』を参照)
此花先輩はオレの横の席に座ると、据付けのタブレットで食べ物を注文していた。
「なんで横?」
と、オレ。
「空いてるから」
と、先輩。
「他にも空いているテーブルありますよ」
「僕はここがいいの」
と、天使の微笑みをうかべた。
性格は真っ黒でドSな悪魔だけど。
ともだちにシェアしよう!