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第15話 見た目だけは、どストライク

「先輩、忙しいのに親衛隊とか入ってていいんですか?」 此花先輩の空き時間は、下僕か奴隷を育成するために必要なんじゃないの? 「心配してくるの?」 と、先輩。 「ぜんぜん、してません」 先輩に至近距離からじぃっとみつめられた。 大きな目がキラキラしてるように見える。 黙ってれば、ほんと美少女なんだけど。 しゃべってもかわいいけど、中身が真っ黒だから。 下僕志願なら、女王様って崇めるんだろうなぁ。 オレはそっちの趣味がないから、まったくわかんないけど。 「前から思ってたけど、なんでオレの親衛隊に入ったんですか?」 「そんなの決まってるじゃない。ねっ!」 先輩に力強く同意を求められても、さっぱりわからん。 オレは自分のご飯に集中して、食べることにした。 「お待たせしました」 ウェイターが先輩の注文したもの給仕してくれた。 野菜ジュースとヨーグルトが置かれた。 「おやつ?」 と、オレ。 「夕食だよん」 と、先輩。 「それだけ?」 「夜はあまり食べないようにしてるから。美容には気を使わなくちゃね」 「先輩は今のままで充分かわいいですよ」 「ありがとー。でも、すごく棒読み。かわいいって言ってくれるけど、桜井くんは僕のものになんないじゃん」 と、拗ねた口調で言った。

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