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第17話 オレってヤり殺されるの?

「あ、そうだ。エッチする時は場所を選らばなきゃ、ねっ、桜井くん」 ワントーンあがった大きな声で言われた。 周りの視線が集まった気がする。 絶対、わざと注目を集めさせた気がするわー。 選んでます、 と、すぐに反論できない自分の正直さが嫌だ。 特別教室棟の階段で、オレをレイプしようとする人に忠告されるも、どうだがと思うけど。 「見たのが、僕だからよかったけど。他の子たちだったら、たいへんなことになってたよ~ん」 ていうか、この人に知られたのが、一番ヤバいんじゃないのか? 「見せて興奮するのもプレイとしてはありだけど。今の桜井くんには、まだまだハードルが高いんじゃないかなぁ」 龍ヶ崎が部屋以外でやりたがるのは、そういうプレイを楽しみたいからなのか? ぜんぜん、楽しんでいるようには見えないけど。 どっちかというと、龍ヶ崎は不機嫌になる一方なんだけどなぁ。 「僕なら、リードつけてまっぱで外を散歩できるくらいに調教できるけど。龍ヶ崎くんにはとうていできないことだしね」 「え?」 此花先輩を凝視してしまった。 マジでオレたちのこと見たんだ……。 「キミたちお外でお盛んすぎ」 「いや、そんなこと……」 ない。 ……とは言えない。 「春からこっち、キミたちって急に仲良くなったよね?」 オレは無言で首を横にふった。 断じて、龍ヶ崎とは仲良しではない。 何を見て、そう感じるのか? 「だって放課後にはいつも一緒にいるじゃない」 比較的につるむようになったけど、いつもじゃない。 時々だ。 週の半分くらいだ。 最近は週末は一緒にいるから、1週間に2日くらいしか休肝日ならぬ、休性交日があるだけじゃん! 死ぬ。 ……龍ヶ崎にヤり殺される。

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