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第25話 漢字ってすごい文化

「ほら、して」 『して』って言われて、 『それでは』と始められないよ……。 オレは壁から動けずにいると、龍ヶ崎に腕をひかれ、そのままベッドの上に寝ころんだ龍ヶ崎の体に、のる態勢をとらされた。 マウントポジション。   下から見上げてくる涼しげな瞳。 龍ヶ崎の上にまたがったまま、固まっているオレ。 全体重をかけることが、なんかできなくて、シーツに手を突っ張らしていた。 「焦らしてんの?」 と、龍ヶ崎。 口角があがって、笑われているのがわかる。 どっちかいうと、焦っているほうが正解。 漢字が同じでも、じらすとあせるじゃ、ぜんぜん意味が違うし。 出来ない、とふんで遊ばれてるが丸わかりなんですけどね。 かわいいこ、かわいいこ、かわいいこ、かわいいこ、かわいいこ、かわいいこ、かわいいこ…………。 脳内で呪文を唱えてみる。 ついでに視覚も変換してくれないかな? ぎゅっと目を閉じてから、開けてみた。 相変わらずの整った顔が見上げている。 当たり前だけど、かわいくはなっていない。 自分は妄想力がたりていない。

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