32 / 69
第32話 負け犬?
龍ヶ崎のきれいな顔が近づいてきた。
その顔を手ではらいのける。
「話しが違うってば」
と、オレの抗議は、
「タイムオーバー」
と、龍ヶ崎にあっさり言われた。
「ちょ、そんなの聞いてないっ」
「そりゃあ言ってないから」
「時間制限があるってしってたら、サクサクっと進めたよ」
「僕のケツの穴が舐められない時点で、アウトでしょうが」
「……かわいいこだったら、出来るよ」
龍ヶ崎に、大きなため息をつかれた。
「人を選ぶんだったら、あんたはヤりチン失格だな」
「ヤりチンじゃねぇよっ!」
と、オレはとっさに怒鳴った。
「でも、チャラ男じゃん」
「チャラ男でもないっ!」
「あっちこっちでタラシまくってんのに」
「タラシたことなんかなっ、ぐっぇ!!」
龍ヶ崎に手で口をふさがれた。
「吠えるんじゃないよ。負け犬丸出しでみっともない」
「ううんっ…」
オレは首を横に何度もふった。
負け犬、ってオレ?
龍ヶ崎のケツを舐められないのが、負け犬なの?
はあ?
わけわかんない。
「キャンキャン吠えて、そのまんまじゃん」
ともだちにシェアしよう!