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第42話 たんぱく質パックばかりしてる、よ……
眼下にひろげられたキレイな手。
形のよい長い指。
オレは誘はわれるように、目の前の白い手のひらに、口の中のモノを吐き出した。
トロリと、最後の精液がたれたけど。
オレの顔は、ずっと、うつむいたままだった。
だって、龍ヶ崎の指示に応えないで、さっさと精液を吐き出しちゃったし。
「顔、あげて」
龍ヶ崎が怒ってるはずだから、恐くて顔があげられない。
「悠人」
龍ヶ崎の静かな声が不気味だ。
「顔、見せて」
オレは首を横に振って拒否。
頭上で大きなため息が聞こえた。
ぺチャリ、と。
オレの両頬にネットリとつけられた龍ヶ崎の精液。
先につけられたオレの精液は、すべり落ちてしまっていたけど。
皮膚が突っ張った感はなくならない。
今日はつくづく顔に白いのがつく日だ。
大きな両手に顔をはさまれて、あげさせられた。
「よく似合うよ」
と、龍ヶ崎のキレイな微笑だ。
龍ヶ崎の親衛隊が卒倒しそうな、おだやかな笑顔だった。
「この耳は飾り?」
「痛っ…」
オレの耳朶を龍ヶ崎がつねった。
そのまま、耳を強く引っ張られた。
かなり痛くて、泣きたくないのに目がうるんできた。
口の中の精液と唾液をクチュクチュって。
どこの変態オヤジだよ?
強要されても、出来ないものは出来ない。
龍ヶ崎は見た目は完全完璧イケメンなのに、性格も性癖もおかしい。
何事にも無関心で動じない感じだったのに、キレる時の沸点が低め。
怒るきっかけもタイミングもわかりづらいし。
非難がましい顔で龍ヶ崎を見ていたら、龍ヶ崎に突き飛ばされた。
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