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第44話 他人事なら龍ヶ崎の性欲に脱帽する

龍ヶ崎に鼻をつままれ、 「あんたはムリ、しか言えないの?」 「イヤもんはイヤ」 「交渉不成立」 龍ヶ崎は鼻から手をはなすと、顔をぐっと近づけてきた。 唇がかすかにふれた時に、 「このまんまじゃ単位落とすから」 と、オレ。 「あんた、そんなにバカなの」 と、龍ヶ崎。 その唇が、オレののどもとにおりていく。 断定せずに、せめて疑問系で言って欲しかった。 ペーパーは授業を受けていれば、そこそこ点数がとれるから、あんまりテスト勉強はしない。 「出席日数だよ」 と、オレ。 「あぁね」 オレは鎖骨にある龍ヶ崎の顔を両手で持ちあげた。 「あぁね、じゃあねぇよっ。2年になってから遅刻欠席がふえて、このままだと日数不足でマジで単位落とす」 「まだ、大丈夫でしょ」 「今は、な。……龍ヶ崎に付き合ってたら、朝、起きあがれない」 起きられない、じゃなくて、起きあがれない。 体中が痛いのと、腰が痛くて立てない。 立てたとしても、ろくに歩けない。 そして、一晩中がっつくから寝不足。 これって、セフレなら当たり前なの? 龍ヶ崎にとって、オレは、もはや人じゃなくて、オナホールなんじゃないかな? 無機質な突っ込む穴。 人間として、見られていない気がするわ。 まだ6月。 進級まで先は長いが、このまま龍ヶ崎の精力に付き合っていたら、確実に死ぬ。 ヤられすぎて、殺される。 「体力なさすぎ」 と、龍ヶ崎。 「はあ? 化け物に付き合えるかっ!」 「そんなにほめなくても」 と、龍ヶ崎の口角があがった。 毎日、一晩に何回もエッチできる性欲と体力。 男としてはうらやましい限りだよ。 ブラボー。 いよっ、男の鑑。 すげぇよなぁ。 同じ男として大絶賛を送るよ。 オレが当事者じゃなかったらねっ!

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