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第49話 もうすぐ終わるのに、ナゼかキャラがふえていく

放課後、俺様(本人が主張したから)風紀委員長の呼び出しに応じて、風紀委員室を訪れた。 ノックしようとしたら、中から、重厚な扉が開けられた。 「えっ、桜井悠人っ!」 「はい?」 部屋から出ようとした人に、大声で叫ばれてしまい、ずんずんと近寄ってきたので、自然と扉が閉まってしまった。 「なんで、ここにいるの? 困りごと?」 がしっと手をとられ、両手で力強くにぎられた。 オレと同じくらいの目線で、ギラギラした目で見つめてきた。 距離が近い。 暑苦しい。 テンション高い。 苦手な人種の部類だ。 「委員長に呼ばれて来たんだけど」 と、オレ。 「桐ノ院さんが直々に?」 暑苦しいくんは、オレの手をにぎったまま、首をかしげた。 「とりあえず、手ぇはなしてくれない?」 と、オレ。 近いんですけど。 初対面の距離じゃないだろう、 ていうほど近いってば。 「すげぇ……マジ、きれぇ」 と、舐めるように見られた。 気持ち悪いっ。 「ちょ、近いってば」 近づいてくる顔を、にぎられていない左手でおしのける。 けど、体ごと迫ってくる。 殴っていい? 風紀委員だと思うけど、殴る。 だって、変態っぽいし。 振り上げた手を、後ろからつかまれ、背中から抱きすくめられた。 「……龍ヶ崎ぃ」 見なくても、誰かわかる自分が心底嫌なんですけど。 オレの手をつかんた手の大きさ。 背中に感じる胸板の感触。 オレの好きな匂い。

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