54 / 69

第54話 マジで終わるのに、またまた新キャラが登場しちゃったよ……

風紀委員のオレの仕事は、業務的に完了した書類の整理保存だった。 高槻くんがおこなっていた業務の一部を引き継いだので、オレの左隣に座った彼に丁寧に教わっていた。 二人座っても余裕のある机だ。 高槻くんは教えるの上手。 すごくわかりやすい。 「お疲れ~」 と、間延びした明るい声がした。 龍ヶ崎以外はその挨拶に軽く答えていた。 委員会室に入るときも挨拶なしで、他の委員の挨拶にも無言って。 やっぱ人として、ダメじゃん。 一般常識が欠如してるよ、龍ヶ崎。 オレは顔をあげて、 「よろしく」 と、答えた。 「うわっ、王子だ。どうしているの?」 と、少しタレた目が見開らかれていた。 赤茶色の少し長いくせ毛に長身、紫色の瞳。 新たな風紀委員だ。 王子。 もしくは姫。 キングや魔王など、学園にはそう呼ばれている人がいる。 直で言われたことはないフレーズ。 オレの場合は、王子の前にチャラやヤリチンがつくけどね。 「風紀委員になったので、仕事してます」 と、オレ。 「マジで? あはは。ほんとに来ちゃったんだ。絶対に来ないと思ってたのにぃ」 と、タレ目の人。 明るい。 というより、チャラい。 タレ目の人はキャスター付きのイスに座ったまま、オレの隣に入り込んできた。 右側。 机一つに、さすがに3人は窮屈だ。 こっち側、人が密集してるよ。 反対側は龍ヶ崎一人なのに、こんなに広い部屋の中で、変だ。 「狭いんだけど」 と、オレ。 「だってここ、おれの机だし」 と、タレ目の人。 「あ、ごめん。オレの席、ここになっちゃって」 と、オレ。 「別にいいよん。でも新しい机がくるまで相席しようねぇ」 と、タレ目の人が間近で、オレをじいっと見てきた。 オレをまっすぐにみつめるタレた紫色の目。 生徒会長のように、外国人の血が入っているように思えない日本人的な容貌だ。 瞳はカラコンだと思うけど。 髪色もカラーだったら、見知った顔に近い気がしてきた。

ともだちにシェアしよう!