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第59話 お茶淹れもオレのお仕事らしい
給湯室で、電気ケトルでお湯が湧く前に、高槻くんに、茶葉やいれかた等の説明を受けた。
オレは、コーヒーカップにインスタントコーヒーの粉をいれて、お湯をそそいだ。
食器棚には、コーヒー豆や紅茶や煎茶などのたくさんのお茶があり、個人持ちのマグカップも置かれていたけど。
そして、各個人の嗜好はいれなくてよいそうだ。
いちいち聞いていたら、きりがないからだって。
高槻くんは、お茶くみでは秘書力発揮しないみたいだ。
冷蔵庫からコーヒー用ミルクを出して、スティックシュガーを一つずつそえて、大きなトレイにのせて完了。
自分の分はブラックだから、付属品はなし。
「いつもブラック?」
と、高槻くん。
「うん」
「指定のある人以外は、それ、しないで下さい。疲れているときとか、体調にあわせて個人で調整しますから」
「あぁ、わかった」
合理的で無駄が嫌いそうな高槻くんだから、手渡したあとに、砂糖とか言われたら、面倒だからそえる。
そう思ってた。
ごめんね、高槻くん。
「お茶うけは?」
と、オレ。
「基本的にありません。お菓子、食べたいんですか?」
「ないなら、いい」
中等部の生徒会では、常時たくさんの生菓子や保存の出来るお菓子があったから。
風紀委員室にもあると思ったけど、ここにはないらしい。
まあ、高等部ではお菓子なんかは必要ないのかもしれない。
オレもコンビニで飲料水は買うが、お菓子とかは買わないし。
オレがお茶だしを始めると、高槻くんはさっきまでいたオレの隣のイスに座った。
委員長のかずくんから、順番にコーヒーを出していく。
「どっちが淹れた?」
と、委員長。
「オレ」
「……飲めるのか?」
と、委員長。
以外と小さい男だな、かずくん。
「失礼な。自分でいれな」
と、オレ。
「インスタントなんで、誰が淹れても同じです」
と、高槻くん。
フォローだと思うけど、それ、なってない気がするよ。
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