66 / 69
第66話 まだまだ紹介されていない風紀委員がいる……
オレが高槻くんをじっと見ていたら、
「さっきの質問ですが、今年度は内務をになっている風紀委員は桜井先輩を入れて10名体制です。内訳は、委員長と副委員長と、1、2年の班長と副班長。補佐が4名。今日は残りの4名とは会えませんが、いずれ会えますよ。新しい机もすぐにきますし」
と、高槻くん。
さっき、っていうより、もうちょっと前にした質問だよ、高槻くん。
「高槻くん1年の班長?」
「そうですが、何か?」
「えぇと、部屋が見晴らしよくて、いいなぁと思って」
高槻くんは役職持ちの8F暮らし。
龍ヶ崎の隣の部屋だったら嫌だなぁ。
防音完璧だから音漏れはないけど、部屋の外でばったりなんて、したくない。
龍ヶ崎の部屋に入り浸って2ヶ月たったけど、幸いなことに、他の人と遭遇したことがない。
かずくんも8Fだけど、興味ないから関係ないし。
8Fフロアの人と関わりたくないのが、本音だ。
修ちゃんと永島。
どっちかが班長。
永島が班長っぽいけど、修ちゃんが補佐って感じでもないし。
「修ちゃんって、班長?」
と、オレ。
「八巻さんは副班長で、永島さんは補佐です」
という返事。
永島、補佐なんだ。
ちょっと驚きだ。
だったら、2年の班長って、誰なんだろう?
はっきりしているのは、オレが媚薬の『レッド・キャンディ』(詳しくは『飴(龍ヶ崎×桜井シリーズ①)』参照)の被害者になって、ここに運ばれて来たときの人達がいないということだ。
もしかしたら、声を出していなかっただけで、いたかもしれないけど。
かずくんなら、でしゃばってきそうだし。
修ちゃんなら、おもしろがってかまってきそうだし。
二人がいなかったのは、確実だ。
ともだちにシェアしよう!