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第66話 まだまだ紹介されていない風紀委員がいる……

オレが高槻くんをじっと見ていたら、 「さっきの質問ですが、今年度は内務をになっている風紀委員は桜井先輩を入れて10名体制です。内訳は、委員長と副委員長と、1、2年の班長と副班長。補佐が4名。今日は残りの4名とは会えませんが、いずれ会えますよ。新しい机もすぐにきますし」 と、高槻くん。 さっき、っていうより、もうちょっと前にした質問だよ、高槻くん。 「高槻くん1年の班長?」 「そうですが、何か?」 「えぇと、部屋が見晴らしよくて、いいなぁと思って」 高槻くんは役職持ちの8F暮らし。 龍ヶ崎の隣の部屋だったら嫌だなぁ。 防音完璧だから音漏れはないけど、部屋の外でばったりなんて、したくない。 龍ヶ崎の部屋に入り浸って2ヶ月たったけど、幸いなことに、他の人と遭遇したことがない。 かずくんも8Fだけど、興味ないから関係ないし。 8Fフロアの人と関わりたくないのが、本音だ。 修ちゃんと永島。 どっちかが班長。 永島が班長っぽいけど、修ちゃんが補佐って感じでもないし。 「修ちゃんって、班長?」 と、オレ。 「八巻さんは副班長で、永島さんは補佐です」 という返事。 永島、補佐なんだ。 ちょっと驚きだ。 だったら、2年の班長って、誰なんだろう? はっきりしているのは、オレが媚薬の『レッド・キャンディ』(詳しくは『飴(龍ヶ崎×桜井シリーズ①)』参照)の被害者になって、ここに運ばれて来たときの人達がいないということだ。 もしかしたら、声を出していなかっただけで、いたかもしれないけど。 かずくんなら、でしゃばってきそうだし。 修ちゃんなら、おもしろがってかまってきそうだし。 二人がいなかったのは、確実だ。

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