67 / 69
第67話 当たり前だけど、サボると仕事量がふえ続ける
「ところで風紀委員て何人いるの?」
と、オレ。
「1クラスに3名配置されるので、基本は54名です。クラスによっては5名いたりするので、あなたを含めて68名。3年生は基本的に委員会活動はしないので、実質は46名で活動しています。全員そろうのは、月2回の委員会の時ぐらいです」
と、高槻くん。
ていうか、うちのクラスの風紀委員て、龍ヶ崎以外は知らないんだけど。
「……大所帯。で、委員会って、いつ?」
と、オレ。
「あぁもう、何も知らないんですね。1日と15日の平日に委員会が開催されます。その日が休日だと、前後の平日に振替えられます」
風紀委員って、なんの活動してるか知らないし。
腕章して、わらわら行動しているのも、入学式や体育祭などの公式行事の時くらいしか見たことがない。
実際に何をすればいいのか、わからない。
オレは幽霊委員でよいと言われてるから、書類整理だけの仕事だと思うけど。
高槻くんがオレに近づいてきて、
「さぁ仕事しましょう」
と、言って、たんたんと作業を再開した。
18時過ぎになったら、
「お疲れ~」
と、修ちゃんが言って立ち上がった。
「悠ちゃん~、また今度ご飯食べにいこうねぇ」
と、オレに手をひらひらと振ってから、退室していった。
「明日からは一人で大丈夫ですよね?」
と、高槻くん。
「え、明日?」
「別に来なくてもいいですが、仕事がたまりますよ」
「他のひ」
「みんな自分の分しかしませんよ。わりふりされた仕事で手一杯ですから」
他の人、って言い切る前に、正論を言われた。
でもさ、元々は高槻くんの仕事だったわけで。
少しくらいしてくれてもよいのでは?
「あなたに振り分けた分は、ぼくがしていた仕事のほんの一部です。量はありますが、いたって簡単な作業ですから桜井先輩でも出来ますよ。頑張って下さいね」
「1日休んだら、どれくらいたまるの?」
「今日の分くらいです。特に問題ないときはもっと少ないですし」
逆に問題がおきたときは、書類類もふえるということで。
「急ぐものじゃないので、ためておいていっきに片付けるというてもありますよ」
と、高槻くん。
「えぇ……」
「嫌がっても、仕方ないですよ。じゃあ、ぼくもあがりますので」
「あ、お疲れ様」
と、オレ。
ともだちにシェアしよう!