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第28話

「ええ~……。ところでさあ、地雷って何?」  ちょっとなんだか面倒くさいことになってきた。この様子だと奏は延々愚痴り続けるかもしれない。由幸はあえて自分から話題を振ってみる。 「地雷っすか? 地雷ってそりゃ字のまんま、それ踏んだら俺のHPはゼロになっちゃうカップリングとか設定のことで。俺の場合、死ネタは絶対絶対絶対に無理! あとは男の()とか女装がダメですね。女装っつってもいちゃこらの時に急に雄になる女装はいいんです。逆にいつもは超美人に女装してるのに、ベッドの上ではハイパー攻めに変貌するとかはすげえ好きっす。でもえっちの時にも男の娘のままとか女装したままだと、まじで萎えるんですよ。だってさあビジュアル的にそれって普通の男女のエロ漫画じゃないっすか! それ、BLじゃないでしょ! 俺が読みたいのは男と男のアレコレなんだし!」  あ、やば。  場の雰囲気を変えようとうっかり質問したことが奏の腐魂(ふだましい)に火を点けてしまった。奏は更に、モブ姦だとかショタだとか由幸には到底理解できないことを熱く語り続ける。 「やばあ……。俺、眠くなってきたわ……」  煽っておいて申し訳ないが由幸は先に眠ることにした。もう奏の語りが子守唄のように聞こえてしまう。 「えっ! 嘘でしょ! 俺、まだ語り足りないんすけど」 「うんうん。ごめんね。おやすみぃ~~」  ごめんね、八千代くん。俺がもうちょっとBLに詳しかったらなあ。  少し申し訳ない気持ちを感じながら、由幸はさっさと寝ることにした。  

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