イッたばかりで半ば放心している弟の唇の中に典夫がそっと自分の指を忍び込ませると、知矢は無意識にその指をしゃぶる。 　幼さが残る知矢の綺麗な顔立ちに色気が加わり、たまらなくそそられる。 　世間一般の常識からすれば最大のタブーを犯してまで手に入れた知矢との関係。けれど典夫は一欠けらも後悔はしていない。 　たとえ世界中の人が敵と化しても、知矢に思いを告げることができなかった長い長い時間の辛さに比べれば、どうってことない。 「知矢……」 　弟の唾液でべっとりと濡れた指。双丘を割ってその奥にある小さな穴にそれを沈めると、知矢が小さな悲鳴を上げて、二度目の絶頂を迎えた。 　知矢のイイところはもう全て知り尽くしている。 　小さく痙攣する知矢の太ももを割り、典夫は自分の体を滑り込ませて、さっきまで指を沈めていた場所へ自分の勃起した雄をあてがう。 「愛してるよ……知矢……」 　愛の言葉とともに勢いよく弟の体を貫けば、その中は絡みつくように典夫の勃起を締め付けてくる。 　心から愛する人とのセックスは、いつでもいつまで経っても初めてのような切なさとすさまじいまでの快感を典夫に与えてくれる。 「ああっ……やだっ……」 　悲鳴に近い知矢の悦楽の声を耳に甘く聞きながら、その細い腰を両手で掴み、勢いよく揺さぶる。 「お兄ちゃ……、も、だめ、だめ……また出ちゃう……出ちゃう、から……」 「……っん……知矢……」 　知矢がふるふると首を横に振りながら涙声で、もう死んじゃうと訴え、典夫もまた頭がしびれるような気持ちよさに絶頂が近づいてくる。 　そして二人して同じ高みへと昇って行きながら、典夫は知矢の耳元で悦楽の吐息混じりに囁いた。 「絶対幸せにするから……」