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恋は突然に。~秋広の場合~

「あ!なっちゃんだ~」  夏樹くんに抱き着いた陸を見てハッとした。俺は逃さまいと腕を掴んでいた。 「夏樹くん、今日時間ある?家に来て」  更に頬を赤くして俯き気味に小さく返事をした。陸は喜んでいて夏樹くんにご飯の話をしていて俺は拓の方を見れないでいた。多分隣でにやにやしていそうだから。 「店長、兄貴の写真はやめておきましょう。今度俺が良いひと見つけてくるんで」  麻耶さんはざんねーんと呟いて、俺たちはお礼を言って店を後にした。 「夏樹くん、これから買い物して帰るから家でご飯食べてね」  夏樹くんは陸と俺の間にいて陸人に腕を掴まれていた。いいぞ、陸。これでもう逃げれないだろう。秋広は夏樹に避けられたのを根に持っていた。  スーパーで買い物して3人で会話しながら自宅へ向かう。その間夏樹くんは俺と一度も目を合わせてくれなかった。 「おかえりなさい。あら、夏樹くんじゃない、どうぞ~」  父さんと母さんがリビングにいて夏樹くんの姿をみて出迎えてくれる。 「秋、その髪型似あう。拓はすごいな」  父さんが流石、僕の子供たちだと家族が同じことを言っていてそれがとても誇らしかった。  父さん達は拓と陸のことを自分の子供としてずっと接してきた。反抗期になった拓と喧嘩はあったがきちんと向き合った。そして今でも仲が良く神山家6人は一緒に暮らしている。だから俺は親を尊敬している。 「秋、お買い物ありがとう。りっくん今日はご飯なんでしょう?」 「え~っとね、オムライス!ポトフ!」  そのやり取りをみてほっこりしていた俺とは逆に夏樹くんの表情には気づかなった。  母に拓の帰所時間を伝えて、5人で食卓を囲んだ。夏樹くんは笑顔は見えるもやっぱり俺とは目線が合わない。内心、あの告白のことは嘘なんじゃないかと思う時がある。ちょっとおじさんをからかってやろうみたいな。  考えたら悲しくなってきた。 「・・・ごちそうさま。俺、店の準備してくる。夏樹くんはゆっくりしてってね」  お皿を片して店に向かい、準備を始める。大体の開店準備が終わり煙草を吸い始めた。

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