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恋は突然に。~秋広の場合~
「すみません、お茶しかないんですがどうぞ」
断る理由もないので、というかチャンスが訪れたことに俺自身喜んでいた。
夏樹くんの部屋は最近の若い子と違って物が少なく殺風景だった。
「ありがとう」
斜め横に座るがまた沈黙が続いた。気まずい・・・ここは大人の俺がと考えていた時先に沈黙を破ったのは夏樹くんだった。
「この間のことですが忘れ・・・」
「夏樹くんその先は言っちゃだめだ。嘘ついちゃだめだよ」
言わせまいと触れる程度ではあるがちゅっと唇にキスをすると顔を赤くし夏樹くんは黙った。
「結構きついんだ、好きな子に避けれるの。夏樹くんはおじさんをからかってた?」
「ち、違います!」
「なら、忘れてって何でいうの?」
尋問みたいになっているが、こうでもしないとこの子は言わなそうだから。
「そ、それはよく考えたら男が男にって変なことだし。だけど一目惚れでだったしあの時秋広さんの顔見たら気持ちあふれて告白しちゃって、でも秋広さんはおれのこと弟みたいにしか思ってないだろうから返事を聞くのが怖くて避けてしまいました・・・」
息継ぎもせずにつらつらと言ったようで息が切れていた。
安心して夏樹くんの胸に顔を埋めた。
「良かった、聞けた。ほんと可愛すぎるよ、君は・・・。ねえ、さっきキスしたでしょ、弟にキスすると思う?」
「・・・っ!」
また真っ赤になった夏樹くんをみて安堵した。突然抱きしめたくなり、腕を回すと夏樹くんの身体が固くなり一つ一つ仕草が愛おしく感じる。
今日1日起きていたからか安心したのか急に眠たくなった。
「ごめん、安心したら眠たくなったからこのまま寝かせて・・・」
「え、待ってこのままだと、おれの心臓がも、持たない・・・」
「ははっ、なら今だけ壊れてしまえ・・・」
わーわーと焦っているようで夏樹くんの心臓の鼓動は早くなり今の俺には心地よくそのまま誘導されるように夏樹くんに囁いて眠りについた。
「夏樹くん、愛してるよ」
恋は突然に。~秋広の場合~ end
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