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恋は突然に。~夏樹の場合~
この人は家族思いでみんなを大切に思っているのは表情でよく解る。
「秋広さんおれの目見て。神山家は皆、こうやって目がよく合うんだ。最初は恥ずかしくて慣れなかったけど目は口ほどに物を言うってことわざがあるように、後ろめたさや悔いがあったら目は合わない。だけど視線合わせてよく笑うしちゃんと好意がある」
真っ直ぐ目を見て言うと秋広さんの柔和な瞳が輝きを映す。そして更に近くに大好きな香りに包まれると同時に夏樹の唇にふわりと柔らかいものが触れた。
「ありがとう」
「あ、え、!!」
「何で目を逸らすの?」
「いや、これ、は・・・照れ、隠しです」
ごもごもと言葉にならないものを発していると秋広さんの指がおれの唇をなぞる。
「これからもっと慣れてもらわないとね」
惹かれるようにお互いの唇を合わせた。段々深くなる口付けに空気を取り入れようとした隙間に舌が入り体温が上昇していく。
溺れるような感覚。だけど優しくて気持ち良い。このままずっとこうして居たい。
貴方と会えたことで心を軽くなり、もう憧れではないこの感情はもう塞ぐことは一生ない。
数分していたお互いの唇は糸を引いて離れても目線はそのままおれは愛する人へ囁いた。
「あなたの事を、愛しています」
恋は突然に。~夏樹の場合~ end
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