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優しく触れて。~拓海の場合~

 時刻は深夜1時を過ぎ酔うこともペースが変わることもない麻耶さんを目に俺は考えていた。   こうも自分の気持ちを出せるのは羨ましいと感じる。いつからか、俺の本当の親が亡くなった時から変わってしまったんだと思う。俺が6歳で弟の陸人がまだ2歳の時親が病院が帰りに事故を起こした。なぜ病院に居たのか、それは母が妊娠していたからだ。性別は女の子らしく月に一度の検診でたまたま父が休みで二人で病院に行っていた。その日大雨が降っていて家では留守番していた俺たちは寂しく親に電話し早く帰って来てほしいと伝えたがその帰りに横転した対向車に衝突されそのまま親とお腹の中の妹共に事故死した。その時、俺は思った。  陸のためにやったことだけど、自分が兄貴として何とかしてあげたら陸人の寂しさを紛らすことだって出来たはずだ。幼い俺には何もできず悲しくて親に電話したがそんなことをしなければ事故死はなかったはずだ。あの時電話しなっかたら、行かないでと言っていれば、陸の気持ちを組んであげればと。それから俺は自分の気持ちを素直に伝えられない。思っても上手く伝えられない。複雑な気持ちのまま人に素直な気持ちを伝えられなくなった。今は大人になり多少は大丈夫になったが身内以外は今も上手く出来なかった。 「拓、疲れてるならもう休みな?」  秋が俺の表情をみて言い、麻耶さんも続けて言った。 「拓海、付き合わせてごめんね。日曜日頼むね!」  その言葉に甘え部屋に戻ることにし寝る準備してそのまま眠りに入った。  日曜日、麻耶さんが言っていた某所にいき、アシスタントとして来た。指定された部屋に入ると麻耶さんがいて挨拶を交わす。 「拓海おはよう。これから他のタレントも来るからヘアメイクして午後に龍之介くるから手伝いお願いね」  龍之介って牧って人の名前か。頷いて準備しそれぞれの準備と手伝いをし、牧さんくるまで二人で休憩をした。 「ふ~取り合えず午前終わったわね!早く陸人くんで癒された~い」  心の中で同じく癒されたいと思いつつ午後からも頑張れば家に帰れると思っているとある人物が現れた。 「麻耶ちゃんお疲れさま。今日無理に言ってごめんね!よろしく」  目に前に目じりの垂れた見るからに世の女性を誘惑しそうな赤髪で短髪で180超えた身長の俳優・牧龍之介がいた。 「龍之介やっと来た!よろしく~」  麻耶さんの隣に居た俺をちらっと見てまた後でと言い残し去っていった。 歳は30代くらいなのに髪が派手だったのでドラマの役に合わせてるのかなと思った。流石、俳優と言ったところ何しても似合うって世の中は不公平だ。

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