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2時間目

 家に帰っても、僕の家には誰もいない。  母さんは、夜勤だし。  父さんは、他に女を作って、借金も作って逃げた。  借金の額は、そこまで多くない。  だけど、母子家庭で完済するには、少し難しくて。  母さんは、僕の学費、父さんの借金、生活費を稼ぐために、たくさんのパートを掛け持ちしている。  僕もアルバイトをして、母さんを支えようとしたけど。  母さんに「その理由なら、アルバイトしないで」と言われてしまったから、アルバイトはしていない。  母さんが、僕にそう言った理由は判らない。  だけど、母さんなりに考えて、だと思うから。  僕は、母さんに従う。  家のことに関しては。  でも、それ以外のことは、従わない。  例えば、学校でのこととか。  母さんに、言ったら。  母さんは、悲しむかもしれないし。 ☒ 「はぁ……」  僕は自室に入り、溜息を吐く。 「金城……みどり……」  名前、どんな字なんだろう。  気になる。  緑、かな。  翠?  何だか、気になる。  とても綺麗な人だった。  紫色の髪で、長くて、サラサラな感じ。  目は、アーモンド型、ていうのかな?  とても綺麗な形で、翡翠の色だった。  もしかしたら、翡翠でみどり?  いや、違うかな。  明日になったら、先生に聞いてみよう。  僕は、そう思い、ベッドの上で眠った。 ☒  翌朝。  食卓の上には、母さんからの手紙。 【音羽へ  いつも、夕食、朝食を一緒にできなくてごめんね。  朝食は、そこのトーストね。  お弁当は、ちゃんと作ったから。  母さん、ちょっと疲れたから、眠るね。                  母さんより】  その手紙を持ち、僕は自室にあるファイルに入れる。  特に意味はない。  ただ、何となく。  日課になっているだけ。 「ちゃんと休んでよ、母さん……」  僕はそう呟き、トーストを食べ、弁当と鞄を持って学校に行った。  学校に行くのは、誰よりも早く。  登校中、人に遭うのが嫌なんだ。  今日は、教室に行かず、保健室に行こう。  金城先生に会いたいから。  保健室の扉の前まで行き、開けて中には入ろうとすると。  中から声がした。  それは、金城先生と知らない男の声。  まあ、保健室は僕と金城先生だけのものではないから。  他の誰かがいても、問題なんてないんだけど。  だけど。  聞こえてくる音が、問題あるような気がした。 『っぁあっ、せ……せんせ……ぇ……』 『**くん、ここが良いんでしょ……? ね?』 『ぅんっ、あ、ああっ♡ もっと……、もっっとぉんっ』  厭らしい水のような音。  何かを叩く音。  先生と……誰かが、えっちな事をしているのか……?  何で……?  先生は、そんな事しなさそうなのに。  でも、それよりも。  そんな事よりも。  僕は、僕自身が反応していることに、驚いた。 「先生……」  僕も、先生に。  先生に―― 「っ、何考えてるんだ、僕は!」  過ぎった映像を、僕は首を横に振り拒否する。  でも、拒否したくても拒否できない。 『**くん、まだ……イかせないよ』  先生の声。  先生の……。 「っふぅぁ……」  駄目だ、こんな所で。  僕は慌てて、近くのトイレに入る。  空いている個室に入って、僕はズボンを下ろす。  僕自身は、もうビンビンに、ガチガチに勃ち上がっていた。 「っ、先生……」  先生の……おちんちんが……僕の所に……?  入るのかな。  だって、僕、男だよ……?  でも、さっきの男だって―― 『音羽……。どうした? 入れられたいのかい……?』 「金城……先生……っ」 『こうするんだよ』  先生は、僕の手を使って、僕のお尻の穴に指を突っ込む。  痛いけど、それは一瞬。 「ぅあっ」  ぐちゅぐちゅと、保健室で聞いた厭らしい音が、僕のお尻から聞こえる。  さっきの音の正体はこれだったのか……。  なんて、思っていられるのは、一瞬。 『いきなり、俺のを挿すわけいかないから、コレ使おうか』  先生は、そう言って。  トイレットペーパーホルダーの芯棒を取り、僕のお尻の穴に挿す。 「ぅぁあああああっ」  痛い。  痛い。 「痛い、痛、ぁっ」 『痛い……だけ……?』 「ぇ……?」  ハッとする。  僕は、痛いだけでなく。  それが、気持ち良いと感じていることに。  まるで、先生のおちんちんが入っているかのようで。 「ぅっ、ぁ、んっ」  中で、芯棒が動く。  指とは違う刺激。  痛みと共に快楽が訪れる。 「はぁ、はあっ、ぁああっ」  段々と激しく出入りする芯棒。  それにより、僕は早く射精したくなる。  でも、それを先生が許してくれない。  片手で、芯棒を出し入れし、もう片方の手で、出しそうな僕のおちんちんを握る。 『こうされたかったんでしょ……? 音羽』 「ぅん、っ、あ、せんせ……、先生、僕、出したい……」  おちんちんが、射精できなくて、苦しい。  でも、先生の許可なしに、イきたくない。 『じゃあ、十数えたら、良いよ』  先生は数える。  とてもゆっくり。  我慢なんて、できない。  三の時点で、僕は手をどけ、イった。  トイレの個室の壁。床。  便器。  全部、僕の精液に(まみ)れた。 「はぁ……、はぁ……、はぁ……、はぁ……」  イった。  イってしまった。  先生のことを思って。  先生との事を想って。 「金城……先生……」  今度は、先生の本当のおちんちんが欲しい。  先生の手で、先生の声で。  先生が……欲しい。 「大好き♡」

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