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4時間目

 ぽすん、とベッドに倒れるようにダイブし、僕は佐々塚先生の言葉の意味を考える。  どんな手段を使っても手に入らないなら。  壊してしまえば良いよ、か。  どういう意味なんだろう。  僕に理解できる言葉なのかな。  なんて、考えながら、僕は眠ってしまった。 ☒  多分、これは夢で。  僕が叶えたい夢でもあるのかもしれない。  夢は深層心理だから。  多分、そう。  僕は、どこか知らない廃墟にいる。  埃っぽくて、環境は最悪。  そんな環境の中、僕の目の前には、金城先生がいる。  先生は、首輪を付けられていて、その首輪は地面にある鉄棒に繋がっていて。  両足も、地面にある鉄棒に鎖で繋がっていて。  両手は、上の方にある鉄棒に鎖で繋がっている。  そして、先生は、怯えたような顔で僕を見る。 「鈴谷くん……! なんで……?」 「先生……。僕、僕……。僕は、先生のことが好きなんです……」  好き。  先生が好き。  好きだから、先生。  僕だけのものになってほしい。 「僕、母さんのことも好きなんです。でも、母さんは僕のものじゃない。父さんのものなんだ……。別れても、母さんの心は父さんのもの。だから、母さんのことは諦めた」  でも。  でもね? 「先生……。先生は、僕のものになってくれるよね……?」 「鈴谷くん……、俺は……」 「僕以外の物に触れないように、先生の手、切り取ってあげる」  僕は、持っていた鉈で金城先生の左腕を切り落とす。  先生の悲鳴は、とても気持ち良かった。  ああ、先生が見ている。  先生が、僕を。 「嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい。嬉しい!」  なら、今度はどこにも行けないように、右足を切り落としてあげる。  僕から逃げないように。  逃げ出さないように。 ☒  目を覚ますと、母さんが心配そうに、僕を見ていた。 「音羽……? 具合、悪いの……?」  母さんの声、久しぶりに聞いた。  母さんが……僕を、見ている……? 「母さん……」  僕は呟き、母さんに抱きつく。 「母さん!」  母さん。  僕の母さん。  母さんの匂いがする。  母さんの声がする。 「ごめん。ごめんなさい。母さん、僕……」 「音羽、どうしたの? 母さん、音羽が生きていてくれるなら、それで良いのよ……。母さんの方こそごめんね。寂しい思いばかりさせて」 「なら……、なら!」  父さんのこと、忘れて。  忘れてよ。  なんて、言えたら。  ちゃんと言えたら。  どれだけ楽なんだろう。

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