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「スマホって何? ゲーム機?」 「そのネタもういいって。浜っ子に高度なツッコミ求めんな」  あきれ混じりに言うと「ボケてないし」と安藤が困惑気味に答えたため、槊葉の方も戸惑った。 「え、ガチ? ケータイとか持ってないの?」 「ケータイなら持ってるけど」  差し出されたのはスマホ三台分はあろうかと思われる分厚い折りたたみケータイで、槊葉の頭の中をハテナマークが盛大に乱舞する。衝撃は一拍置いて爆笑に変わった。 「あっはははは、なんだよこの化石みたいなガラケ!」 「なんだよ化石って。最新機種だぞ」 「はあ? どこにこんな時代遅れの機種があんの。画像も粗すぎるしここに——」 (あれ……?)  ひいひいと爆笑していた槊葉だが、小さな画面の下にJ—PHONEという見慣れない文字と、液晶部分の日付『2002年』に視線が縫い止められた。 「えーと、なにこれ? いくらガラケでも日付がこんなに狂うってありえないよな……」  脳内のハテナマークは混乱を極め、頼りなくさまよう。  安藤の携帯電話には見たこともないほど古くさい液晶画面がついており、デジタル特有のガタガタ文字に、見慣れないキャリア名、十七年も前の日付が刻まれていた。  

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