7 / 10

第7話

先に、栗原を風呂へ入らせてから、俺も風呂に入った。 風呂を出ると、テレビも付けずに栗原はソファーに座っていた。 近づいても反応がなく、顔を覗き込むと、スヤスヤ眠ってしまっていた。 ホッとした自分と、なんだか拍子抜けした自分がいる。 「栗原、そんなところで寝ると風邪ひくぞ」 声をかけても返事はなく、ぐっすり眠っている。 自分では好きだと言っても、レイプされた身体は、異常を感じているはずだ。 加えて、学校では派手に振る舞っているし、そりゃあ疲れるよな……。 そう思い、栗原を抱き上げて、寝室まで運んだ。 高校生男子の身体にしては軽く、簡単に抱き上げられてしまった。 華奢な身体、真っ白く柔らかそうな頬、長い睫毛、キレイな形をした唇。 「直ちゃん……」 心臓が、ドキリと飛び跳ねた。 それを目で追っていた自分と、突然呼ばれた名前に。 「寝てろ」 全部隠して、静かに返事をした。 栗原をベッドに下ろして、手を離そうとした時 「待っ、て……」 いきなり、腕を掴まれた。 今にも消えそうな小さな声のわりに、腕を引いた力は強かった。 何か話そうと口を開けた瞬間、グイッと、更に強い力で腕を引かれる。 「…んっふぅ……ぁ…」 そのままベッドになだれ込み、深いキスをされた。 栗原はその行為に酔っているような、色気のある声を出す。 これは、栗原と俺が、初めてしたキスだった。 「直ちゃんもっと……もっと、キスして……」 熱くなった舌が口内を弄り、それに釣られて自然と、俺も舌を伸ばしていた。 全身に、快感が巡る。 理性なんて、どこかに消えていった。

ともだちにシェアしよう!